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ユウ
Author: ユウ
クラブネイチャー管理人ユウです。犬を連れ、キャンプを愉しみながら、ハイキングやクライミング、沢登り、カヌーを楽しんでいます。仕事はコピーライター、プランナー、PR。
都内から房総に移住し、山恋しくて、今は丹沢の山並み見える神奈川にUターン。

ジムニー(JB23)をキャンプと林道専用の遊び車として愛用中。

メールは下記まで
info.clubnature#gmail.com
(メールの際は#を@に入れ替え)

【好きな山】
甲斐駒ケ岳、秋田駒ヶ岳、水晶岳、北岳、烏帽子岳(乳頭山)、丹沢山

【好きな曲/アーティスト】
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クラブネイチャーは、山とシンプルキャンプスタイルのためのアウトドアBlog

山の怪談 | ウサギ姿の山の神

怪談CLUB 第十八話


今年最後の怪談を。

怪というと、幽霊、妖怪、魑魅魍魎の類を思い浮かべることが多い。しかし「怪」には「不思議なこと」という要素も含まれていて、とてつもなく守備範囲が広い。だから、怖くてぶるぶる震えちゃうような話ではなく、とても高貴で魅力的な不思議体験もこのカテゴリーでさしつかえないのではなかろうか。ということで、とりあえず怪談カテゴリーで語ることにする。

ところで、近ごろ世の中全体がどうも先を急ぎ過ぎる。とにかく善・悪、白・黒、右・左・・・どっちかに物事を単純に棲み分けさせようというような、マニ教的二元論が幅を利かせてきたように感じるから腹立たしい。

“白だ黒だとけんかはおよし 白という字も墨で書く”
なんていう都々逸(どどいつ)もあることだし。

“あの方恋しや この方愛し 恋と愛とはちがうもの”
こんな白黒割り切れぬ情感たっぷりの都々逸もある。

ともあれ人間界に情緒のかけらがなくなってきたように、ここのところ自然界からも情緒というものが消えつつある。いや、情緒という言葉が適切でなければ、情趣とでも言えばいいのだろうか。夏の猛暑からいきなりの初冬。暑い、寒いの二元で、中間の秋はどこ行った。

こんなことを言いたくなるのも、“偏(かたよ)らず”ニュートラルなスタンスで、あらゆる方向から物事を眺めるのが好きだったせいだ。と、書くとカッコいいが、つまりどっち付かずな「でくの坊」だった、って話。悪く言えばテキトー、良く言えば中庸(ちゅうよう)ってこと。

この世は割り切れないことのほうが圧倒的に多い。どっちつかずの宙ぶらりん状態こそ自然の摂理だったりもする。つまり中庸。この中庸こそ偉大な新文明への道に思えてならない。そういえば誰だったか、中庸とは人間の行動や欲望を穏当な範囲内に保つ品性である、なんてことを言っていたけれど、確かにそう思う・・・


日本には四季があるというけれど、年がら年じゅう山を歩いていると、秋でもあるし冬の匂いもする・・・なんていうように、春夏秋冬の四つでは割り切れない、微妙な気候ばかり。ところがどっこい、中庸派にとって嬉しいことに四季それぞれを六つに切り分けた二十四節季なるものが昔から存在する。冬至、小寒、大寒、立春、雨水・・・・24の季節は情趣たっぷりのいい響きだ。

さて、この話はボクがまだ20代半ばの頃、秋に冬が滲み出した頃のこと。連日の徹夜で仕上げた志賀高原の観光施策プロモーション企画のプレゼンもひと段落した、二十四節季で数えるところの“甘露”の季節のことだった。

下界ではシャツ一枚で汗ばむほどだったが、甲武信小屋のテント場の夜はキンキンとよく冷えて、ヘッドランプの光に、辺り一面真っ白な霜が幻想的な美しさだった。ちょうど冬型高気圧が張り出して、藍色の夜空には満月ぽっかり。

ボクは仲間と焼酎のお湯割りを手にシュラフに半身を突っ込み、「紅白の司会者も決まったみたいだし、もう年末も近いよな」「来年は兎年か。あのお月様から降りてくるから、月の兎はいなくなるって話だぞ」「え?そうなの?」「うそ」なんてくだらない事を話すその息が、もうもうと白くヘッドランプに浮かび上がる。晴天の夜が、放射冷却を呼んでいた。

放射冷却に冷やされた翌朝は、見事なまでの青空だった。テントからマットを引っ張り出し、外の陽だまりでコーヒーを飲んでいると、遠くの空からセスナらしきプロペラ音がのどかに響いてくる。のんびりと仲間が作ってくれたホットケーキにジャムをたっぷりとのせ、平らげると、もうひと眠り。

こうしてグダグダとしながら甲武信小屋のテント場を後にしたボクらが西沢渓谷の遊歩道についたのが昼過ぎ。周遊したことのない遊歩道をのんびりと歩いてみようということになった。
平日ということもあり、観光客の姿はまばらだった。ザックを背に、よく整備された未舗装のトレイルを沢音を楽しみながらのんびり歩く。紅葉した樹木が覆いかぶさり、遊歩道の先が大きく左にカーブしているあたりが薄暗かった。

「あれ?」

ボクは仲間と目をあわせた。遊歩道がカーブした先の渓谷へと斜面が落ち込んでいて、その斜面を暗く覆っている樹の中で何かが光った。それはライトのようであり、青い炎のようでもあった。

「あれなんだろう?」
「なんだろう?」
「木の上に誰かいるのかな?」
「さあ」

そういいながら、渓谷の上に大きく張り出した黒々とした枝の影を見ながら歩いた。だんだんと近づいて、その距離10メートルほどになったときのこと。青い光が現れ、まるで太陽が写ったガラス板をすばやく動かすと太陽も瞬時にガラスの上を移動するが、まさにそんな目にもとまらない不思議な速さで、左にカーブする遊歩道の方向に移動した。

これは、もしかするとUFOの一種じゃないか、と胸ときめかせて遊歩道を進むと、すでに青い光はどこにもなかった。目の前には薄暗い遊歩道が、渓谷沿いに伸びているばかり。それでも、どこかに居るんじゃないかと谷を覗き込んだり、岩陰を目を凝らして見てみたり、執拗に捜索したが結局どこに発見できなかった。

あ~、とため息をついたとき、ふと遊歩道の渓谷際にある大岩が目に入った。その大岩の上には小さな祠が祀られていた。苔むした山の神だった。ボクは何気なくフィルムのコンパクトカメラを取り出すと、その祠に向けてシャッターを切った。その瞬間のことだった。カメラはビィィィ~ンという音を立てて、フィルムを全部巻き戻しはじめてしまった。

何が起きたのかまったくわからなかった。カメラは、すべて撮影し終わった時に自動でフィルムを巻き戻す仕組みになっているのだけれど、この時カメラには36枚フィルムが入っており、まだ10枚も撮影していなかった。とにかく、あっという間にフィルムが巻き戻されてしまったため、カメラの裏ぶたを開けてフィルムのパトローネを取り出した。パトローネとカメラの中をしばらく観察したが別に変わったところはなく、そのままフィルムケースにしまい込んだ。

「東沢釜ノ沢を登っている写真、だいじょうぶかな?」

仲間はフィルムを気にしていたが、遊歩道を散策しているうちに、この出来事はすっかり忘れてしまった。

帰宅し登山道具の手入れを終えた翌朝、軽い筋肉痛を感じながらフィルムを近所のカメラ屋に持ち込んだ。勝手に巻き戻ってしまったため、半分も写ってないと言うと、現像代はサービスだから、心配しなくていいよ、とカメラ店のおじいさんがニコニコした。

数日後プリントを受け取りに行くと、プリント袋の中には沢を登りながら写した9枚の写真とネガが入っていた。
プリントを一枚一枚眺めながら、あの祠が写っていないことにがっかりした。実は何か得体のしれないものが写っていることを密かに期待していたからだった。なかなか諦めきれず、二度三度と眺めてはみたがあるのは沢登りの写真ばかり。美しい奥秩父のナメ沢をたどる自分の写真を欲しがっていた山仲間は喜ぶに違いない。

自宅に戻ると、プリントとネガをテーブルに並べた。そして、山仲間に渡すプリントを焼き増しするため、ネガ袋に印をつけているときに、ふとおかしなネガがあることに気付いた。

沢登りのシーンが写っている以外のネガはどれもこれも透明の茶色なのだけれど、沢のデータのすぐ横の一枚が真っ黒に感光していた。その真っ黒なネガの中心にある何か白いものが気になったため、ネガ袋から取り出してよく見てみた。

そこにあったのは角のように長いふたつの耳を立て、二つの黒々した眼と、高い鼻を持った、兎人間のような得体のしれない何者かの姿だった。その表情はとても品格があり、慈愛に満ちていて、しばらく見入ってしまった。

その高貴なウサギ男爵は山の神に違いない、とボクは確信した。

山の神を撮影したことで嬉しくなったボクは、このネガを山仲間に見せたところ、とても不思議がっていた。秘仏ではないが、こういうものはあまり人に見せると、神威が消滅してしまうのではないかと思い、ブルーグレーの封筒に大切にしまい込み、封筒には「山の神」と大書きして自宅で大切に祀っている。

しかし秘しておこうとは思うのだけれど、どうも人に自慢したくてたまらず、今まで何人かに見せてしまった。そして、見せた後にきまって悔やむことになるので、今では封筒にしっかりとしまい込み、ときおり思い出すだけになっている。

しかし、不満なのは、こんなに厳重に見せたいという欲求を抑えているにも関わらず、いまだに西沢渓谷の山の神の神威が実感できないことだ。はたしてどんな効果があるのだろうか。中庸を発揮して性急に白黒つけず、気を長くして待つことに決めてはいるが、どんな神威かがわからないため、はたして効果があったのか無かったのか、判断のしようがないのが最大の不満ではある。

最後に好きな都々逸をひとつ
“おろすわさびと恋路の意見 きけばきくほど涙出る”

・・・う~~ん、情趣あるなぁ。

【山の怪談 関連リンク】
http://clubnature2.blog87.fc2.com/blog-entry-598.html" target="_blank" title="・稜線のテント場にて">・稜線のテント場にて
・S岳避難小屋で聞いた叫び声
・キスリングを背負ったトンネル内の黄色い人影
・山中の白い顔
・奥秩父の幻の大滝で、友人に憑いた正体不明の何か。
・徳本峠に坐す、見えない修験者
・霊に呼ばれた、二人の男。
・ヤマビル 湿地に蠢(うごめ)く恐怖
・丹沢の林道で幽霊を轢いた話


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