
画像はすべてiPhoneで撮影とにもかくにも、山で飲むコーヒーのうまさったら、筆舌に尽くしがたいものがある。
登山途中に出会う素晴らしい景色に、ただただうっとりするのもいい。しかし時間さえ許せば、壮観このうえない景色を眺めながら、ゆっくりとコーヒーを飲みたい。いやはや、なんたる幸せか。
ドリップの最中、尾根から尾根へと渡る風に舞う、そのコーヒーの芳しき香りたるや、言葉にできないほど。ドリップしながらシェラカップに一滴一滴したたる琥珀の液体を眺めて“早く落ちろ、早く落ちろ・・・”と、なかば呪文のように胸の中で繰り返し、時おりゴクリと喉を鳴らす。
つまりこれ、街の社交場であるカフェならぬ、山カフェ
7月の三連休。前半は一泊二日で北アルプスの前穂から明神岳主稜を下降して上高地に下山。帰宅して思案したのは、残った一日をどう過ごそうか、ということだった。
日帰りで赤岳あるいは鳥甲山(とりかぶとやま)でも楽しもうかな、なんて思ってもみたけれど、遠路高速道路で帰宅したばかりで、なんとなく車で長距離ドライブしたくない。思いあぐねた末「丹沢山でコーヒーを飲もう」ということに決定した。
さて翌朝未明、宮ヶ瀬湖からヤビツ峠まで向かう林道途中の塩水橋にジムニーをデポし、そこから最短で丹沢山に行こうとした。が、なんたることか。林道の崩落で、宮ヶ瀬からのルートは通行止めになっているではないか。
塩水橋に向かうには、遠回りして反対側のヤビツ峠からということになる。仕方なく国道246に出て、ヤビツ峠に向けてジムニーを走らせることになった。日も高く昇った頃、ヤビツ峠を通過した。その時のこと。開放的なピークから富士山を真正面に望みながらの山カフェも悪くないな・・・なんて思いがふと頭をよぎった。
その10分後。ジムニーはヤビツ峠先の菩提の駐車スペースに停められていた。目的地は丹沢山から、三ノ塔へと変更されていた。朝早い時間の澄んだ大気に富士山を楽しむなら、三ノ塔が最適だと思ったからだった。

三ノ塔へと至る登山道入口三ノ塔は、塔ノ岳へと続く尾根の途中にある、標高1205メートルの気持ちのいいピーク。菩提からはわずか1時間ほどの行程だ。水1.5リットルと、この日は即席のドリップコーヒーをしっかりと確認して出発。

樹林帯の中をしばらく歩き、やがて日当たりのいい岩屑の斜面にさしかかる。すでに日は高くジリジリと焼くような日差しに汗がどっと噴き出す。二ノ塔の小さなピークを通過すると下りになる。すぐに二ノ塔と三ノ塔のコルに出て、そこからひと登りすれば、無人小屋の建つ三ノ塔のピークだ。

予想通り、目の前にはドドンと富士山の雄姿。この日、仕事仲間が富士山の山麓で24時間マラソンに挑んでいるはずだった。青い富士山を眺めながら、今頃彼女は仲間たちとあの下を走っているんだろうなぁと思った直後、目の前のあの斜面を列をなして大勢の人たちが登っている姿が見えるような気がして、なぜかにやりと笑ってしまった。

まあ、こちらは、気持ちいい三ノ塔の山カフェで、のんびりとコーヒーでも楽しむことにするか、ってなところか。ゆっくりとコーヒーを二度ドリップし、のんびりのほほんとコーヒーを二度楽しんだ。

山カフェの相棒プリムスのイータエクスプレス

この日は簡易ドリップその間、何人もの登山者がいそいそと通り過ぎた。ここ三ノ塔からは塔ノ岳もわずか1時間半とちょっと。だけどボクは、コーヒー三昧を楽しんで、ゴロゴロして、富士山が霞んでくるころに、ようやく腰を上げて、来た道を下山した。涼やかな風が吹く森の中では、すでにヒグラシが鳴いている。
ジムニーを停めた場所に到着したのは、まだ昼前だった。
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