
カフェしてますか?
いま街を歩けば、実にカフェが花ざかり。
老若男女を魅了しているのは、カプチーノに、ラテに、エスプレッソに。深煎り系の香ばしい琥珀の液体だ。それにしても、なぜにこれほどまでに人を引き付けるのだろう。
コーヒーは脳神経細胞を活性化させたり、中枢神経を適度に興奮させる、はたまたその香りがリラックス効果をもたらすなど、じつに多くの働きがある。つまり魅惑の液体というわけだ。
で、どうせならこの魅惑の液体を、とっても気持ちいい魅惑の環境で楽しみたいもの。街のカフェにはオープンテラス席など、屋外の開放感のなかでコーヒーを楽しめる空間も多くみられるけれど、アウトドア好き・山好きなれば、大自然の中で楽しむコーヒーをこそ、最上と位置付けたくなるのは自然の流れか。
そこで日頃から実践しているのが“アウトドア・カフェ”。ザックの雨蓋には、ジップロックに入れた、深煎り豆とアウトドア用の軽量・コンパクトなドリッパーを常備していて、ここは!と思った場所でいつでもコーヒーが楽しめるのだ。
そして、車でアプローチできるアウトドア・カフェの中でも、最高に気分いいのが、裏高尾の炭焼き小屋と、この丹沢・中津川渓谷・・・
場所はヤビツ峠から宮ヶ瀬湖に抜ける林道沿い。
この道、途中が激細く、すれ違いできない区間もけっこうある。中津川渓谷に沿って、うっそうと茂ったブナの森の中を延びる林道からは、ところどころ眼下に渓谷が眺められる。完全独占できそうな河原があちこち目につくが、残念ながら駐車できないため通過する。そのたびに、次回は自転車で来ようと思うが、いまだに実現していない。

この林道は大好きな丹沢山と孤独に歩ける高畑山への格好のアプローチのため、足繁くとは言えないが、たまに利用している。そして下山後には渓谷に降りてコーヒーを入れ、瀬音とそして頭上にかすかに聞こえる林道を行くモーターバイクのエンジン音を聞きながら、のんびりと一人の時間を楽しむのが恒例になっている。
高畑山は甲斐駒を眺めながら登れ、開放的な山頂からの富士山は「秀麗富嶽12景」にも選定されている。ここで昼飯を食べ、昼寝するのも最高に気分がいい。
車だと激細い林道に神経を使うので、行き返りものんびりしたい場合は電車。中央本線の鳥沢駅から甲州街道22番目の宿場町である鳥沢宿をのんびり歩き、古(いにしえ)の山旅気分を味わいながら登山することができる、実に味わい深いコース。

さて、この林道。車を止めるスペースがほとんどない。ほとんどないのだけれど、高畑山の登山口近くの、2か所のオレンジポール内のスペースに数台止めることができる。今回はアウトドア・カフェが目的だったため、車を止め踏み跡から中津川渓谷へ降りた。

誰一人いない渓谷には清冽な水が、ころころと美しく流れている。この地方は中世、山の恵みによって暮らしていた。周辺の山から切り出した材木は筏に組まれて、この中津川渓谷から下流へと流されていた。
午後の日差しに染まるブナの中から流れ来る渓谷を眺めていると、上流から筏が流れてきそうな気分になるから不思議だ。また、ここで焼かれた広葉樹の良質な炭は、厚木や伊勢原の宿場町でも重宝されたのだと。

そんな江戸の時代に思いはせつつ、河原でコーヒーをドリップする湯を沸かす至福のひととき。どうしても山に行けないときは、お気に入りのアウトドア・カフェへ。たったこれだけのことで、ずいぶんと癒されます。
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テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用
裏山の岩尾根で飯を炊いて食するんですが
珈琲がいつもなぜかありません。明日は...
赤いラーケンが写っていますが、
これって1リットルですか?
手元に赤いラーケンの0.75リットルというのがあるんですが
ラーケンに詳しい人に言わせると「そんなモデルは、無ぇ」と。
ユウさんのが0.75だったら、ちょっと嬉しい。
え? そのラーケンどこで手に入れた?
いえ、リサイクルショップで、新品未開封を数百円で、
とか口が裂けても言えませんよ。
転売目的だって、バレちゃう。