
かなりマイナーで、低規格だから、
9月の3連休でも独占できる穴場キャンプ場。好きな山はどこかと問われると、はたと困ってしまう。寒帯ジャングルともいえる東北の栗駒山を筆頭に秋田駒ヶ岳周辺や、北アルプス、ふくよかな南アルプスに力強い中央アルプスなどなど、山と呼べる全てが好きなため、うーんうーんと頭を捻り何も言えなくなってしまう。
好きな山は全てだけれど、好きな場所と問われると、ウェストン祭が開催されるウェストンレリーフ周囲はもちろん、何と言っても奥秩父にこの人あり、とも言える田部重治と木暮理太郎の日本登山黎明期を牽引した二人の男のレリーフのある場所かもしれない。
田部重治といえば名著「山と渓谷」が山好きの本棚に大抵見られるけれど、彼と双璧をなす木暮理太郎(こぐれ りたろう)のレリーフがある場所が奥秩父の金峰山麓に位置する金山山荘。周辺は金山平と呼ばれ、かつての金山跡でラジウム温泉の増富も程近い。そして何よりも瑞牆山(みずがきやま)登山口もすぐ間近。
この場所が「好き」な理由はもうひとつあって、それはキャンプの存在。夏休みはもちろん9月の3連休でもほぼ独占状態。静かに焚き火でもして過ごしたい時に利用するかなり穴場的なキャンプ場
実は今年(2011年)の9月の3連休は、奥さんとハイキング&キャンプを楽しもうとお目当てのキャンプ場に向かうもサイトはすでに満杯。ふたつほど回ってみてもどこも同じ状態だったので、
白州観光尾白川渓谷キャンプ場しかないかな・・と思った矢先、前日twitterで木暮理太郎レリーフに会いに行きたい、とかなんとかつぶやいたのを思い出し瑞牆山の登山口方面の金山山荘キャンプ場へと車を走らせた。

キャンプ場へは山荘前のこの坂を下る。
よく見ないとわからない小さな看板のみここなら、キャンパーが居てもおそらく2~3組マックスだろう、と予想するも、実際に現地に着いてみると誰もいなかった。まだ昼近くでこれならもしかしたら独占できるかもしれない、との予測は大当たりで、3連休めいっぱい貸切キャンプを楽しんだ。

(クリックで拡大)
白樺が気持ちいいキャンプ場を独占状態ここ金山山荘キャンプ場は、地図によっては有井館キャンプ場と表記されているけれど、有井館は金山山荘のお隣宿。田部重治や木暮理太郎にゆかりのある古い宿で、10時半~14時頃までは、地元の蕎麦の実を自前の粉ひき小屋で挽いたそば粉を使用した極上の二八蕎麦も楽しめる。数量も限定なのでなくなり次第終了だから、うまい蕎麦が食べたければぜひお早めに。蕎麦以外にも煮物などが出されるので、ほんとうに幸せな気分になれます。
さて、金山山荘キャンプ場はフリーサイト500円、オート区画3,000円なのだけれど、今回は翁が「奥さんと二人で2,000円でいいよ」とのことで、二泊分4,000円。せいぜい30張り程度のこじんまりしたキャンプ場だけれど、白樺の木陰サイトと草地サイトがあって、混んでなければ自由にサイトを選べる(混んでることなど一度も経験無し。毎回ほぼ独占)。
設備は低規格なため小さな水場と簡易水洗のトイレが4個室のみ。夜間は人感センサーで人が近づくと自動点灯なので、最低限のエコ設備と相まってある意味先進?なのか。

金峰山や瑞牆山など奥秩父の山並みの格好のビューポイント
空に合わせてしまたのでキャンプサイトが暗く写ってしまった・・ともあれキャンプ場の上には奥秩父の山並みが見えるし、横には金山沢が流れる自然派にとっては抜群のロケーション。もちろん直火もできるので、キャンプ場独占状態で友人とお酒でも飲みながら水入らずで焚き火を楽しむ贅沢が味わえちゃいます。

尾根上に立つ木暮理太郎氏のレリーフ
夕闇に撮影したため不気味になってしまいました
このレリーフのさらに上に金山の坑道が残っていますそういえば木暮理太郎は日本山岳会第3代会長。彼を顕彰する恒例の木暮祭はそろそろだったはず・・・木暮理太郎のレリーフは金山山荘の裏の左の尾根を50mほど登った場所。田部重治の「山と渓谷」に収められている金峰山から雁坂峠までの山旅を綴った“奥秩父の旅”を読んでからでかけるとまた趣深い。
あこがれていた青葉の旅は、5月下旬の午後十一時飯田町発の名古屋行の列車にはじまった。新宿で乗り込んで、木暮君、中村君と会合すると、三人の話がもう山に移って、各自背負って来た荷物の重いことをかこつ~~略~~笹子トンネルで目がすっかり覚める。塩山と日下部との間で、破風から古礼山までの秩父連嶺がありありと見えるが、それでも低い雲が甲府平一面にかかっているのが気にかかる・・・云々(田部重治著「山と渓谷/奥秩父の旅」より)
(木暮理太郎)
1873(明治6)年―1944(昭和19)年5月7日。群馬県出身。東京帝国大学中退。東京市史編纂に従事。子供のころから山登りを始めその後、小島烏水(映画:剱岳点の記に登場)、田部重治らの影響で主に奥秩父の山を歩き、日本山岳史上〝秩父時代〟と言われる時代を築いた。山に登るだけでなく山岳展望や登山史の研究、地名の考証にも大きな熱意を示し、人文的な「山岳研究」というべき分野を開拓したパイオニアの一人◆金山山荘キャンプ場◆
場所:山梨県北杜市須玉町小尾8872-7
電話:0551-45-0435
営業期間:4月末~10月末
料金:
・オートキャンプ3000円
・フリーテントサイト500円(1人)
・金山山荘ガイドHP※すぐ近くにあった『みすがきやまリーゼンヒュッテ』のキャンプ場もなかなか落ち着けそうでした。どこにも情報がありませんが、利用者はおらず、このぶんであればきっと他が激混みの時でもがらがらだと思われます。そのうち、ここも利用してみたいと思います。
◆有井館◆
場所:山梨県北杜市須玉町小尾8872-7
電話:0551-45-0455
・HPhttp://outdoor.blogmura.com/ target="_blank">
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テーマ:キャンプスタイル - ジャンル:趣味・実用
非常に興味深く読まさせて頂きました。
私は山梨に住んでるのですが、人がガヤガヤいるキャンプ場が嫌いで静かにゆったり子ども達と過ごしたくて^^探しておりました。
今週末に行こうと思いますが、今年に入ってからこちらのキャンプ場へは行かれましたか?
混雑状況はこの頃と比べていかがかなと思いまして
よかったら教えて下さい