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ユウ
Author: ユウ
クラブネイチャー管理人ユウです。犬を連れ、キャンプを愉しみながら、ハイキングやクライミング、沢登り、カヌーを楽しんでいます。仕事はコピーライター、プランナー、PR。
都内から房総に移住し、山恋しくて、今は丹沢の山並み見える神奈川にUターン。

ジムニー(JB23)をキャンプと林道専用の遊び車として愛用中。

メールは下記まで
info.clubnature#gmail.com
(メールの際は#を@に入れ替え)

【好きな山】
甲斐駒ケ岳、秋田駒ヶ岳、水晶岳、北岳、烏帽子岳(乳頭山)、丹沢山

【好きな曲/アーティスト】
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クラブネイチャーは、山とシンプルキャンプスタイルのためのアウトドアBlog

山の怪談 | 霊に呼ばれた、二人の男。

怪談CLUB 其の三
The dead that invited us.


さて、今宵は何かに呼ばれた男の話。

かつての日本には昼と夜の二つの世界の間に、どちらともつかぬ・・・まことに妖しい刻限があった。かの本居宣長は、昼を現世に、夜を黄泉になぞらえていたほど。昼と夜の間境は、黄泉(よみ)に蠢く妖魔がにじみ出す、妖しい刻限。

夜は黄泉。亡魂は闇の中より現れ出でて、人を誘い、人を狂わしむ。そんな風に信じられていたため、夜に動く事は極力忌避された。闇に動くものは魔物ゆえ何に出逢うかわからないからだろう。いっぽう現代では人工の照明が煌々と眩しく、一日中明るい。それでも山ばかりは江戸時代のままで、日没ともなれば頂を包む深い森は形相を一変させる。登山家が昼のうちに目的とする場所に着こうと躍起になるのも無理はない。

こんな夜に何を好き好んでか、冬のさなか、闇の帳に包まれ森散と鎮まりかえる山中へ分け入った二人の男があった。時は今より十年ほど前のこと・・・

男が言うには、夜の丹沢・塔ノ岳の山頂からは眼下にきらめく街の灯は、さながら満天の星のようで実に美しいのだと。そして何より、彼方に見える海原の、そのまた先より刻々と登る朝日に海が鏡のようになり、後ろを振り仰げば朱鷺色に染まった富士の山。

二人は、この夢のような世界を呪文のように呟きながら、墨を流したような森の中を懸命に登った。その甲斐あって塔ノ岳山頂に到着したのは午前二時少し前。一息ついて見上げれば、二人の上には満天の星、眼下にも人工の星の目も眩むような光の絨毯がきらめく。下から上まで星の中に浮かんでいるようなその光景に、二人は夢心地となった。

その間にも氷の刃のような風が容赦なく二人に吹き付ける。いくら夢の国とは言っても、冬の夜中の山頂でじっとしているのは辛すぎた。

二人は、夜明けまでの時間を寒さに震えて待つよりも、どこかで仮眠でもしようということになり、辺りを見回す。目の前の山小屋はすでに寝静まり、物音ひとつしない。さすがにそこを訪うのは憚(はばか)られ、仕方なく、登山道を少し下って風当たりの弱い場所でシュラフに入ってビバークでもしようと、ヘッドランプの灯をたよりに今来た登山道を引き返す。

暗闇に、ぼぅ・・・と浮き上がる植生保護の木の階段をトントンと降りてゆくと、右手にほどよく茂る潅木地帯が目に入った。南向きの斜面は風も吹かず好都合。さっそく二人は枯れた下草を割ってザクザクとその中へ。寝るのに都合の良い場所はないかと付近をさまよう二人のヘッドランプに、二畳ほどの平坦な場所が浮かび上がった。

二人は、そこにマットを敷いてシュラフカバーを装着したシュラフに入った。ちらりと闇の中、周囲を見ればちょうどくぼ地のような地形で、思った通り、風が吹き込まずに実に心地良い。ここで夜明けまでを仮眠し、やがて刻々と明るさを増す空に起きだしてシュラフをしまう。

辺りは未だ濃い闇が滲んではいたが、さて西方向を向けば、晴れ渡った濃紺の空に突き出す富士の山が朱色に染まっている。が、その絶景に声を上げて喜んだのもつかの間。自分の頭の位置に、ふと目をやった一人が言葉をなくして立ちすくんでしまった。

そこにあったものは・・・風雨にさらされた、古びた卒塔婆(そとば)。

ざわざわと梢を揺るがす潅木の根元に、朽ちかけた数本の卒塔婆が立てられていたのだった。つまり、二人が寝ていた場所は、卒塔婆の真下。この刹那、男は、卒塔婆が自分のために立てられたもののようにも思え、背筋に冷たいものを感じた。それは、おそらく、かつてこの塔ノ岳で事故か道迷いかで遭難した人を供養したものだったのだろう。もしかしたら、雪深いときに迷い、命を落としたものかもしれない。

登山黎明期には、この丹沢でも多くの遭難が発生しているし、積雪量は今よりずっと多かった。遭難者は今も同様で、山中に入れば行方不明者の写真と特徴を記した看板を見かける事はよくあるはなし。遭難した人たちも、おそらくそうした不運な人たちだったのかもしれない。もちろん、それは積雪期とは限らない。大山の雷尾根の東屋で落雷の為に死亡した例もあるからだ。

とにかく人は、同じような状況で同じような行動をとるとは、よく言われることではあるが、遭難した人たちも、風雪を避けて懸命にビバーク地点を探し、この場所に至ったのではなかったか。そうして、人が2、3人寝るに都合の良い、このくぼ地に身を横たえたのではないのか。

これが高山であれば、平坦にならされた四畳半ほどの場所は、遭難者の荼毘(だび)のために作られたことが多い。そんな場所の近くを見回せば、遭難碑があったりする。

そんなことを思ううちに、二人はここで死した霊に呼ばれたのかもしれない、とふと思い、その気味悪さ、恐ろしさに、卒塔婆に手を合わせると、そそくさと塔ノ岳を後にしたことは言うまでもない。

その二人のうちの一人は、何を隠そう、この僕です。

おそらく今でも、あの卒塔婆は、同じ場所に墨文字も薄れたまま傾いて立っているはず。場所は、塔ノ岳の小屋から表尾根(俗称・馬鹿尾根)を下り、階段が切れたあたりの尾根道で山を背にして右の潅木地帯の中・・・・もしも、何かの折に出かけることがあったら、ぜひ線香を手向け故人の冥福を祈ってあげてほしい。

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Comment


きたきた..........
小生、これだけでいい(^◇^)
幽霊が出現せぬのに 余韻が怖い
  • 2007/06/20(水) 00:08:09 |
  • 風|URL
  • [編集]


怪談もこの位のレベルで止めて置いて
戴けると助かります!
これ以上は・・・寝れなくなります!(笑)


朝から寒くなりました…
クーラーの効かないこの事務所には、もってこいです( ・∇・)
イイ方向で考えれば、ユウさん達を安全な場所に誘導してくれたのかも知れないし…
悪い方向で考えれば…道連れ!?
キャァァァ~
まるで子供の時見てた「あなたの知らない世界」状態。
  • 2007/06/20(水) 10:30:22 |
  • lilt|URL
  • [編集]


山の怪談話は奇妙なものがいっぱいありますが、このお話は‥‥むしろリアルで怖いですね。帰りに妙にザックが重いなんてことはありませんでした?
  • 2007/06/20(水) 12:27:29 |
  • ろんがあ|URL
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夜の山なんて真っ暗で怖くて入れましぇーん 10年前の卒塔婆は今じゃぼろぼろで、かなり怖いかも
  • 2007/06/20(水) 12:42:27 |
  • fumi|URL
  • [編集]


★風さん★
そなんです。僕の怪談には幽霊は滅多に出現しません。不可解とか怖いとか云う心象風景でした。
  • 2007/06/20(水) 20:56:11 |
  • ユウ|URL
  • [編集]


★チャイさん★
ぬふふふふ・・・・夏に向けて、もっと怖いのもあります(^^;
  • 2007/06/20(水) 20:57:22 |
  • ユウ|URL
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★lilt さん★
なるほど・・・安全な場所に導かれた・・・そういう考え方もありますね!柔らか思考ってやつですね(^^
  • 2007/06/20(水) 20:58:51 |
  • ユウ|URL
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★ろんがあ さん★
・・・・怖いこと言わないでくださいよぉ(^^;;;
  • 2007/06/20(水) 20:59:42 |
  • ユウ|URL
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★fumi さん★
そういえば、そうですね。10年の歳月で、卒塔婆は朽ち果てているかもです・・・
  • 2007/06/20(水) 21:00:28 |
  • ユウ|URL
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ぉ、恐ろしい~
でも、自然に導かれたのかもしれませんね~
山の神様に!
朝起きて、ひるに囲まれているよりは
私は卒塔婆をチョイスです~


★Takaponさん★
ヒルと卒塔婆・・・・微妙ですねぇ(^^;;;
究極の選択のような気もします。そうだなぁ・・・リアルに出血ダメージの大きいヒルは避けたいし・・・でも、朝起きてあの大きくてオレンジ色の山ヒルに囲まれているってのは、嫌ですねぇ・・・同じく、どっちかなら卒塔婆にしておきます(笑)
  • 2007/06/21(木) 19:48:24 |
  • ユウ|URL
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こんにちは
さむいです。とりはだです。
塔ノ岳10年くらい前に行きました、
キツかったです。卒塔婆見つけないで下さい。
ユウさんブログ読むたびに私の丹沢での行動範囲狭まる気がしますが、なんか読まずにいられないのです。
  • 2007/06/22(金) 12:58:22 |
  • なむたーん|URL
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★なむたーんさん★
ふふふふ・・・なむたーんさんを、引きこもりにしちゃいます(笑)
  • 2007/06/22(金) 19:16:58 |
  • ユウ|URL
  • [編集]


ケータイからの投稿でうまく書き込めるかわかりませんが よろしくお願いします
塔の岳はよく登りますが卒塔婆があることは知りませんでした この話をケータイで電車で読んでいて 恐くなりました
  • 2007/06/24(日) 18:41:48 |
  • KAZU|URL
  • [編集]


★kazuさん★
はじめまして! ここってケイタイからでも読めるんですか?! 僕のケイタイは数年前の古いヤツなので、読み込みできないんです(^^;; これから夏に向けて怪談はバージョンアップします。よろしくです!
  • 2007/06/25(月) 22:08:31 |
  • ユウ|URL
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