
丹沢で大好きな場所のひとつが七沢・広沢寺・日向薬師エリア。
登山というよりも、古の山里風情が感じられる「心のふるさと」のような場所です。中でも、八王子に住んでいた数年前まで、ちょこちょこと散策に訪なったのが広沢寺という、里山に周囲を囲まれた静かな山里。付近には日向薬師なんていう、堂々たる藁葺きの巨大な本堂を持つ、関東地方では有数の古寺もあり、訪ねるたびに新しい発見が楽しめる、古代からの宝物のような場所です。
ちょうど今の晩秋に広沢寺の林道を歩くと、山寺の境内や集落から焚火の煙が青空に一筋伸びて、それがまたなんともいえない懐かしさを感じさせてくれるのです。この広沢寺には、ハイカーのために大きな駐車場があり、目の前の森の中には「広沢寺温泉」という、「七沢温泉」や「かぶと湯温泉」同様に非常にアルカリ度の高い温泉もあります。
広沢寺温泉前の駐車場に車を置いて、林道を真っ直ぐ進めばトンネルの先に大山と三峰山どちらにも登れる峠に出られますし、途中の林道分岐を左側に進めば、5分も歩けば右の沢の向こう側に大きな岸壁が見えてきます。その岸壁が滑岩(弁天岩)と呼ばれるクライマーたちのかっこうの練習場所です。
林道からは高度感を伴って見えますが、実際は傾斜は緩く空間への身体的露出感がないため登る際の怖さはまったくありません。中央のメインのスラブなどは実に気持ちよくフンフン鼻唄混じりに登ることができますが、そのぶんテーマを持たずに登るだけだと、欲求不満になってしまいそうです。

傾斜はかなり緩く、スラブ体験練習にはちょうどいいそんな感じの弁天岩ですが、実は岩場の左隅と右隅に、ひそりと楽しいルートも隠されています。左隅はハング、そして右隅の右クラックのさらに右側のカンテから始まるルートは、なかなかしょっぱくて楽しいし、下部がどうしても越えられなければクラック下部をレイバックで登ってすぐに右隅のスラブへトラバースし、そこを直上すれば、ホールドも実に細かくて充実感が得られます。ここを登ると、さらに上にも岩が苔をまとってぽつんと峻立していて、トライしてみると見かけによらず、かなりしょっぱくて面白いと思います。

右隅カンテ上テラスよりケータイで撮影

(左写真)右隅カンテルートの上のテラスの自分を下から撮影
(右写真)カンテ上のテラスからケータイで下を撮影このように、右隅と左隅がけっこう楽しい広沢寺の岩場でゴソゴソと岩遊びしながら色とりどりの紅葉を岩の上から眺めて堪能するという、ちょっとへそ曲がりに丹沢の秋を週末に楽しんできたわけです。

そうそう、林道を歩いて弁天岩の先にある、岩穴の中の大釜弁財天もおすすめです。この先に山道入口があるので、気持ちのいい里山の森を楽しみながらのんびり登れば、気持ちのいい尾根を経由して標高404メートルの日向山にすぐに到着します。
晴れていれば新宿の高層ビル群はもちろん、房総半島まで一望できる、穴場的な絶好のビューポイント。山裾には温泉もありますし、それにラーメン通の間で密かに知られる絶品ラーメンの店「
ZUNDO BAR」もあります。最高のラーメンが丹沢の奥で味わえるなんて・・・ハイキングに温泉にラーメンに。もう最高ですってば。
高尾ばかりが注目されていますが、広沢寺エリアは隠れた週末おでかけスポットです。
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仕事で通り抜けるしかしていなかったです...
「ZUNDO BAR」は看板だけ見てまして、物好きなラーメン屋だなあ、程度にしか思っていませんでした。
ハイキングしかしませんが、いい記事有り難う御座いました。^^/