
毎年今頃の時期になると、もう胸騒ぎがしてたまらない。
八ヶ岳や谷川岳、日本アルプスの山々は、まだ深き雪の下にその巨体を埋もれさせている。しかし雪崩が頻発し、夏日が増すごとに着衣を脱ぐように黒い岩肌が露出する。冬の間、岩の割れ目で凍結膨張していた氷が溶けるので、初夏は落石が多くなる。
いまの時期の春山は、もちろん冬山の装備が必要だけれど、それでも冬に較べたら気持ちよさは格別で、真っ青に晴れ渡った空に真っ白な鋒々が突き上げ、そこにアイゼンとピッケルを突き立てて登る気分は言葉にしようがない。
当初は奥さんに岩登りや冬山技術をレクチャーしていっしょに登ろうという思いで何度かクライミングや冬の八ヶ岳・阿弥陀岳南稜、春の白馬主稜などを登り、数回ほど怖い思いをしただけだったのだけれど“もう行きたくない”と見向きもしなくなってしまった。つまり、これがキャンプをするようになったきっかけのひとつ。
現在、山は山岳会と山岳部のOB山の会のみ。ハイキングのほか奥さんを連れて登ることはなくなってしまった。キャンプをするようになった最近では家族連れで、少しでもこうした気分を味わうために、冬から春にかけて必ず訪れる場所がある。それが美ヶ原・霧ヶ峰。

春は、幻想的だった冬(上画像)とは一変し、真っ青なまぶしい空の下、360度のパノラマがくっきりと遠望できる。美ヶ原の散策に冬のようなアルパインジャケットなど冬山装備は不要。ジーンズにフリース、トレッキング(軽登山)シューズで、楽しく散策できる。あちこちに残雪が豊富に残っているので、子供でなくてもうれしくなってしまう。ボクにとってのベストエリアは美ヶ原の高原美術館横。

美ヶ原あるいは霧ヶ峰の冬はハードではないので、冬山の登山経験者さえ伴なえば初めての人でも雪山の世界が体験できる。登山を拒否した奥さんも、美ヶ原と霧ヶ峰だけは春夏秋冬、四季を通じてとても楽しそうだ。
雪の残影を残すベストスポットを巡れるのはGWの時期ならではの楽しみ。美ヶ原、霧ヶ峰のほかにも八ヶ岳エリアだと・・・麦草峠から白駒池散策や、稲子湯に車を置いてそこから森の中に真っ白に雪が残るみどり池の山小屋「しらびそ小屋」に一泊し周辺の森をスノートレッキングするなんていうのも本当に静かで自然に満ちた休日になると思う。
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麓から登っていきます。真冬に登ってみたら
なぜこんなに人気なのか、よっくわかりました。
ただどこも風が強くて、めし作りには苦労しました。