
クリックで拡大上はアフリカの森に手作りされた小屋。よく見ると丸太を基礎代わりに地面に突き立て、その上に横木を渡して建てられている。とてもシンプルで、だからこそ気持ちよさそうな小屋だ。こんなのを見ていると、のびのびと間仕切りのされていない、窓からの空気がさぁ~っと住まい全体に流れる居心地の良さが想像できる。もちろん網戸なんかない。
網戸がこれほど普及しているのは昭和30~40年代以降の日本の特徴なのかもしれないけれど、あれは見た目に、どうもまるきり美しくないので困る。間口の大きな、こんなシンプルで簡素な小屋を房総の森の中に手作りするのが夢だ。最終的に腰を落ち着けることになるのは、また別の地域の森かもしれないけれど、当面は房総だと思っている。
房総といえば、誰しもが森よりも海を思い浮かべるかもしれない。

しかし、外周より内陸に目を転じれば、そこには十重二十重に里山が連なり、その起伏を高温多湿、多雨の気候に育まれた、実に多種の樹木が豊かに覆いつくしている。東北地方の寒冷帯の森とは異なる、房総特有の樹相をしている。
山といってもせいぜい300数十メートル。分類上では丘とされるような山だからこそ、森が際立ってくる。その多くがまだまだ手付かずで、バックパッキングにうってつけのトレイルも数え切れないほどだ。しかし、千葉の山でも遭難は起こっている。それだけ自然が豊かな証拠なのだろう。
近頃では、どこもかしこも鎖や柵で安全が確保され、箱庭化している。登山も、一般登山道ではないバリエーションルートでさえ、たまにペンキの印があったりする。自然と対面して、自分でルートを考え切り拓く登山の楽しみがこうして消えてしまう。房総の山は低いゆえに混雑とは無縁。人も多くはないから、使われない放置ルートも数多く存在している。
高みに登る『
山のトレイル』というより、人に邪魔されず深く静かな森に溶け込むような、何とも言いようのない悦楽を楽しむことのできる、バックパッキングに実にふさわしい『
里山と森のトレイル』こそ房総の魅力。
今までフューチャーされてきた海とか花といった顔は、観光のよそ行きの顔。本当の房総の魅力は、その仮面の下に存在する変化に富んだ広大な森だ。暑さ極まる7月~9月以外の季節は、それぞれに違った表情を見せてくれる森を思う存分堪能する絶好のシーズン。
大地に眠るのであれば、原則キャンプ場を基点にするのがベストだろうけれど、しかし・・・バックパッキングである以上、森のトレイルを数日かけて楽しむ際に、どこかのピークや岩の下を仮の宿としなければならないこともあるだろう。
ボクは、花と海とは全く違う・・・『
森の王国』として房総を見てみようと思う。山小屋は存在しない。水場は少ない。人も稀薄。そのうえ整備されていないトレイルが延々と存在している。ということは・・・房総は、ルートハンティングしながら、本当のバックパッキングが楽しめる魅力的なフィールドじゃないか。

先日、森と林道放浪で出会い命名した『
ノルマンの森※』の場所を、もういちどしっかりと特定したいと思っている。その次には、尾根上に樹木の根が這い回り、昼尚薄暗さが残る照葉樹で構成された、名づけて『アッサムの森』なんかも探してみたいと思う。まあ照葉樹林といえばヤマビルがつきものなので、夏以外の季節・・・ですけれど(^^
※ノルマンの森・・・明るい草地が針葉樹の木立の中に広がり、ところどころに水仙の可憐な花が咲き乱れる穏やかな森。
森の中には、こんな草地がポッカリとあって、そこに立てば山並みの向こうに大海原が青々と光っているのが眺められる。馬鹿げた行為に見える人もいるだろうけれど、しかしボクは、こんな場所に年月をかけて小屋を手作りしたら間違いなく楽しい。
ボクら大人の秘密基地作りは、慌てず、焦らず、少しずつ。仕事じゃないんだ。有言無実行だってかまわないから、どんどん突っ走ろう!
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房総では「南房総ツリーハウスヴィレッジ」というのがとっても有名でテレビやラジオ、様々なメディアで耳にしますが、個人でも100万円もあれば自分専用のツリーハウスを作れるらしいです。
何時だがテレビでファミリーが手作りしてました、とっても興味深く観た覚えがあります。
秘密基地、欲しいですね^^。