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ユウ
Author: ユウ
クラブネイチャー管理人ユウです。犬を連れ、キャンプを愉しみながら、ハイキングやクライミング、沢登りを楽しんでいます。仕事はコピーライター、プランナー、PR。
都内から房総に移住し、山恋しくて今は丹沢の山並み見える神奈川にUターン。
山と音楽と本があればシアワセ。

メールは下記まで
info.clubnature#gmail.com
(メールの際は#を@に入れ替え)

【好きな山】
甲斐駒ケ岳、秋田駒ヶ岳、水晶岳、北岳、烏帽子岳(乳頭山)、丹沢山

【好きな曲/アーティスト】
・マーラー/ベートーベン
・チャイコフスキー
・ラフマニノフ
・松田聖子/金井夕子
・ジョニー ウィンター/プリンス
・ウラディーミル・アシュケナージ
・アンドラーシュ・シフ
・フジコ ヘミング
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クラブネイチャーは、山とシンプルキャンプスタイルのためのアウトドアBlog

夢と消えてしまったSoulBar George’s(ジョージズ)

090205_1.jpg
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記憶のかけら


古書店で偶然手にしたEsquireで北穂小屋との会合を果たし、その後パラパラとページを繰って裏表紙を閉じた。そのとき「あれ・・・」と思った。自分でも、いったい何に対して、そんな気持ちが弾け出たのかもわからず、急き立てられるようにもういちど、ページを繰った。

何か、とても大切なものがこの中に隠れているような、見逃してはならないと自分の中の何かがそう言っているような、ほんとうに不思議な気持ちだった。ボクは、二度三度と何かを探してページをパラパラと爪弾き続け、そして、ついに見つけた。

それは、永遠のエキゾチックなオーラをまとって、じっとこちらを見つめるひとりの女性だった。最初の数分間、この黒ヒョウのような女性がいったい誰なのかはっきりしなかった。しかし、彼女がとても大切な人だということだけは直感できた。

そしてコラムに目を走らせ何行が読むうちにはっきりとわかった。ジョージズの信子ママだ!と、全てが繋がった。ジョージズとは乃木坂寄りの旧防衛庁の敷地にぴたりと寄り添うようにしてあった、席数が10ほどの小さなカウンターバー。

広告業界に足を踏み入れたばかりの22歳のボクをここに連れてきてくれたのは、ブラックミュージックに傾倒していたアートディレクターのAさん。彼は、かつては米兵で溢れ返っていたんだと、定席であった入口隅のカウンターでビールの小瓶をラッパ飲みしながら教えてくれた。オーダーはキャッシュ。カウンターに貨幣を置いてからビールをオーダーする。出てくるのはビール瓶だけ。コップなど無い。それをラッパ飲みしながら、ジュークボックスから流れるソウルミュージックに身を委ねる。

こいつ新人、よろしく・・・Aさんはカウンターの中の鋭い目つきのエキゾチックな女性にそう声をかけた。その声に「うん、よろしくね」と手を差し出してくれたのが、信子ママだった。100円玉を6つだったか・・・それをカウンターにボクが恐る恐るビールをオーダーした。カウンターに置かれたビール瓶の横には100円玉がひとつ添えてあった。

「それ○○番に」

090205_2.jpgボクは意味がわからなかった。どぎまぎするボクに、向こうのカウンターで飲んでいた女性が「後ろ」と、ボクの背後を指さした。あれ、と思った。指差した女性は女優だった。「おい、早くしろよ。通夜みてえだろ」とAさんがボクの指から硬貨をむしり取ると、真後ろのジュークボックスに入れて指定されたボタンを押した。

レコードがセットされる音。そして流れてきたのは、たしか・・・マービン・ゲイのホワッツ・ゴーイング・オンだったと思う。初めて触れた大人の世界の香りだった。ボクが仕事していた事務所は六本木交差点の俳優座ビルの上。この日以来、深夜に仕事が終わると、必ずジョージズに顔を出し、満席のときはビール瓶片手に店の前の路上でガードレールに腰掛けて飲んだ。そして、たいていは朝6時前頃に事務所に戻ると社長が出勤してくる10時頃までソファーで寝た。

仕事中は常にR&BのCDを流すようになった。

ある夏の夕方、まだ明るい5時過ぎ。ジョージズ前を打ち合わせで通りかかると、中からかすかにジュークの曲が漏れ聞こえてくる。ボクは、そっとドアを開けてみた。すると、うなぎの寝床のようなカウンター席の一番奥で信子ママが頬杖をついていた。その姿がものすごく寂しそうで、ボクはそのままそっとドアを閉めると店を後にした。

そのときに流れていた曲は、パティ・ラベルの曲だった。

ボクは悩み多き20代を通じ、いろいろな感情を抱えジョージズに通い続けた。どんなに打ちひしがれた気分であっても、信子ママと対面し二言三言話し、ジュークにコインを入れてビールをラッパ飲みすれば、屁でもない気分になれた。なんでこんなことにくヨクヨなやみ続けてやがるんだ、なんて気持ちになるのだから不思議だった。

しかし、どうしても自分の心の傷口を誰かに舐めてもらいたくてたまらないときは・・・かつて信子ママがしていたように、人の少ない時間にビールをちびちびと飲みながら、カウンターで頬杖をついてパティ・ラベルを聴くようになった。ママは、そんなとき、何も声をかけずに、ひとりのままにしてくれた。こんなところに、とても書けないようなみっともない思い出も、たくさんGeorge’sに残してきた。

20代、ボクは一晩で数千円を毎日のようにここのジュークに投げ込んだ。ボクの微々たる月給のほとんどは、George’sのビールとヤキソバ、そしてジュークの餌と消えていた。ジュークの前の席に陣取ると緊張してね。人が移動も出来ないほどの店内だから、ジューク前の人が曲をつながなければならない。これが難しい。ボクは、店のその時間帯の空気を読んで、最高の一瞬になるように数曲のコンビネーションを考えて頭の中でドキドキしながら組み立てた。思惑通り、他の客が体を気持ちよさそうに揺すりだし、「いい選曲じゃん」なんてチラリとでも見られると、ものすごく嬉しかった。

だから、有り金全部をジュークにつぎ込んだことに悔いなどこれっぽちも感じない。それどころか、育ててくれてありがとう、と心から感謝したい。

Esquireは、そんなGeorge’sがミッドタウンの建設に伴い閉店したこと。そして何よりも2001年に信子ママは亡くなっていた、ということを教えてくれた。近年、西麻布に信子ママのオーラを受け継ぎ、George’sは復活したらしいが、たぶん足を向けることはないだろう。

Patti Labelleは今でも聴き続けている。特にOh peopleとFinally we re back togetherは、ボクを一瞬で当時にタイムスリップさせてくれる。

George’sの歴史

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テーマ:日々出来事 - ジャンル:ライフ

                                               
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こんにちは。
邂逅、ですね。切ない話です。

先ほど路線バスに乗って壮大なミッドタウンの真ん前を通りました。
人それぞれの思い出が詰まる街、ですね。

  • 2009/02/05(木) 15:51:13 |
  • ラード|URL
  • [編集]

★ラードさん★


ミッドタウンにでかけるたびに、切なさを感じそうです。

あのあたり・・・乃木坂から防衛庁にかけての雰囲気が大好きだったのですが、面影はなくなってしまいました。たしか真正面に小森のおばちゃまのお店もあって、昔は早朝の人気の無い六本木をおばちゃまが犬を散歩させていたのを思い出します(^^

田舎もいいですが、都会も素敵なんですよね。
本当は長野や東北など、もっと遠くに行こうかとも考えたのですが、都会の匂いを捨てきれず・・・外房です(笑)
  • 2009/02/05(木) 18:16:54 |
  • ユウ|URL
  • [編集]


Georgesに行けるほど大人でなく、気にしないでいられるほど子供でもなく、自分の背丈に合った店で飲んでいました。
僕には無理でしたが、男が一人前になる時に、そっと背中を押してくれるような、酒場とおんなあるじの存在があるのでしょうね。東京に居た頃を思い出すと、ゴールデン街のKさんというひとの声が聞こえるようです。
  • 2009/02/05(木) 23:11:19 |
  • いまるぷ|URL
  • [編集]

★いまるぷさん★


ジョージズ、ご存知でしたか!
世界中のアーティストに愛されるほどの店だなんて知らずに、長いこと出入りしてました(^^;;

ゴールデン街も懐かしいですね!
「クラクラ」とか「深夜+1」あとは「どん底」なんていう店が好きでした(^^

今はタバコを止めたのと同時に、お酒もほとんど飲まなくなってしまいましたが、またジョージズのような店で飲みたくてたまらなくなるときがあります。なかなかないですよね、そんな店・・・
  • 2009/02/06(金) 08:23:00 |
  • ユウ|URL
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