
山仲間との冬の楽しみのひとつが、八方尾根で行われる冬山・スキー合宿。合宿とは言っても訓練はごく一部で、そのほとんどは自由山行として五竜だとか不帰キレット方面を楽しんだり、あるいは八方尾根の唐松岳寄りにある丸山ケルンまで登って、そこからアイスバーンの稜線をスキー滑降して楽しんだり。
ボクの場合、もっぱらスキー。スキーをザックにくくりつけ、唐松岳直下にスキーをデポしてピストン(往復)し、デポしておいたスキーのかたわらでお茶で暖まったらカリカリに凍てついたつるつるの稜線を、眼下に360度のパノラマを眺めながらビューんとスキー。ボクの大好きなスキーコースの一部がこの写真。真正面に見えているのは不帰の嶮(不帰キレット)。かえらず、と読む通り、なかなかの難所でアドレナリンも出るルート。
このカマボコのような凍った稜線を滑降していると、エッジが効かないと谷底に吸い込まれるような気分に襲われるのだけれど、それがまたドキドキ気分を盛り上げる。これこそゲレンデとは違う本番スキーの醍醐味だ。もう気持ちいいったらない。しかしゲレンデと違って山にはペンションやホテルが無い。

仕方ないので、このような宿泊施設に泊まることになる。手前は海外遠征に使用した年季の入ったカマボコ型テント。で、向こうのドームは炊事棟。居住テントで炊事をしてしまうと水蒸気がテント内部で全て凍ってしまい、それが風のたびにカラカラと落ちて、まったく居心地の悪い場所になってしまう。ただでさえ人の息が凍って、テント内が真っ白なのに、これ以上の水分は・・・で、食事当番が隔離されたドームでせっせと悪だくみを楽しみながらヘンテコなメニューを生産するのだ。これの度が過ぎると大喧嘩になる。
写真は以前の合宿時に撮影。テント横に立つ黒いスキーはボクの愛用品。その向こうの斜面で後輩らがピッケルでの滑落停止訓練をしている。ボクの黒スキーの横で寝転んでいるのが、後に白籏史朗さんの厳冬期の機材持ちをすることになるOBのH先輩。奇遇にも広告業界に就職したボクは、白幡さんと何度かお仕事をともにさせていただくことができ、H先輩の話で盛り上がることができた。
テントの周囲には3000メートルの山岳特有の激しい風雪に備え雪壁を作っている。ボクは軽量化のために夏用の薄いシュラフなので、アルパインジャケットなどを全て着込み、シュラフにはシュラフカバーをセット。そして足元はカラのザックにすっぽり突っ込んで寝る。顔は寝息で凍ってしまうので、同じくシュラフ内にすっぽり。こうすれば夏用シュラフでも十分に寝られる。
今年もそろそろ八方は白く染まりつつある。今年はショートスキーで八方尾根あるいは北八ヶ岳の雪上散歩でものんびりと楽しもうかな・・・
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テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用
み,未知の世界....いいなあ~ ^^
スキーはゲレンデ。数回妙高でツアーコースを回ったのみ。でも、十分楽しかったなあ。
ならばこの山スキーは想像以上、未知の世界。人が居なければ冬山独り占めって感じでしょうね。
パソコン触ってる場合では無い、今日も寝込んでます。
未知・・・想像すらまともにできない世界(^^;)
なんてたってスキー4,5回しかやったことないんですもの。。。
やっとこさ滑れるって感じ(^^;;;
おはなしになりませんねぇm(_ _)m
たしかに独占気分をめちゃくちゃ楽しめます。
全てを見下ろしながらのスキー滑降は気分いいです♪
それよりも・・・風邪の具合いかがですか??
おとなしく寝ていないと・・・(笑)
お大事になさってくださいませ(^^ /
いや、そんなことないです
ボーゲンできれば楽しめます♪
危険箇所はキックステップでOKです。
八方尾根のスキー場に行ったら、黒菱ゲレンデの最上部までクワッドリフトで登り、そこからスキーを担いで第二ケルン~第三ケルン方面まで登れば、あとは今まで登った斜面を滑るだけ! 谷に落ちないようにボーゲンで滑れば大丈夫です♪
3000m級の冬山で夏シュラフですか!里山キャンプで厳冬期シュラフとか購入したりしてるのがお恥ずかしいです。
リアルな雪山をやっておられるユウさんのような方は基礎代謝の発熱量が違うのでしょうね。
いえ・・・あの・・・
たんに、厳冬期用のぬくぬくシュラフを買うお金がなかった・・・というウワサも(^^;;
>基礎代謝の発熱量が違うのでしょうね。
う・・・そんなに熱い男ではございませぬ(笑
ワタクシは真冬でも電車に乗る度に汗ダクになるほど新陳代謝が高いですが、厳冬期用シュラフでぬくぬくと眠っておりますw
スキーかぁ。。。
もうかなり長いことやってません。
こんなトコ滑れたら気持ち良いでしょうねぇ...
いのうえさん、超熱い男ですもんね(^^;;;;;;;;;;
ボクも、今まで書きませんでしたが
少々ですが熱い男です(笑)
つまり“ちょい熱オヤジ”
ですので、夏はタッキー状態・・・
いま、ショートスキーを物色してます。
これだったら森の散歩もかなり楽しいかな、
と思ってます♪
歳を重ねるごとに寒さに弱くなってます
夏の汗かきは変らないのに
30代まではハーフ丈のシュラフとダウンジャケットで冬場も乗り切っていましたが今では考えられません、凍傷の跡の直りも悪くなりました。
こんばんわ!
ハーフ丈シュラフは、一度も使用した経験ないです。すごいですね!
凍傷は・・・顔のかさぶたの治りは、遅くなったかどうか、よくわかりません(^^;; やはり歳とともに衰えるんですよね・・・かさぶたの後がホクロになってしまったりして、まいったなぁと思ってます・・・
ボクの場合、手足の指は、おかげさまで大丈夫です♪
ショートスキーって、ファンスキーみたいな奴でしょうか。
10年くらい前、インラインスケートを乗り回していた頃はファンスキーでゲレンデやちょいバックカントリーを滑ってましたが、今はもう無理(笑)
それにしても山スキーは羨ましいですね。そういえばケイバーの友人は夫婦で毎週のように立山とか通ってました。
滑る方は人生の軌跡に任せて、今では尻セードしか致しません。
が、こんな素敵な記事を拝読するといろいろと思い出します。
天井の氷が落ちて溶けてシュラフの背中が濡れて、南の縦走、
3日目ぐらいには「シュラフが丸められない」悲しい経験もしました。
(3つ折りぐらいで背中に...)
かまぼこテントも懐かしいですね、今ではあまり見なくなりました。
なんだかフワフワしてきました。遠見尾根でも行って来ようかなと思います。
ファンスキーのようなモデルで、ビンディングがちょっと違うような・・・山ショップでトレッキングスキーとして売られている、ショートスキーです(^^セツメイガ ウマクデキマセン…
滑走面にシールを装着できるので斜面でも登れて、ビンディングをロックすれば滑れて、ビンディングのかかとを開放すればスノーシュー感覚で歩ける・・・たとえばSTCスキーベンチャーのようなセットです♪
これ、楽しいです。
シリセード、ボクも大好きです♪
ピッケルで舵をとりながら、猛スピードで吹っ飛ぶ快感!!
これ、かかとを雪面につけちゃうと、氷の粒が激しく顔面を直撃して痛いんですよね(^^;;
あ~~シリセード、やりたい~~!!遠見尾根・・・遠いです(;_;
記事と無関係なコメントなので削除しようと思ったのですが・・・個人的に国籍法改正案に反対の立場なので、残すことにしました(^^
スキーはゲレンデ。数回妙高でツアーコースを回ったのみ。でも、十分楽しかったなあ。
ならばこの山スキーは想像以上、未知の世界。人が居なければ冬山独り占めって感じでしょうね。
パソコン触ってる場合では無い、今日も寝込んでます。