
秋田といえば男鹿半島のナマハゲばかりではなく、豊富な温泉と
秋田駒ケ岳をぜひとも体験したい。秋田駒はこの時期、週末は上高地や北岳同様にマイカー規制が敷かれている。とてもいいことだと思う。しかし、黒煙をあげながら走る無数の観光バスを見ると、観光バスこそなんとかしなければならないなぁ・・・なんて思える。
信州
ALPICOのバスも真っ黒な煙をもうもうと排出しながら走っているし、観光資源として環境の恩恵に与っているのであれば、観光客を乗せるバスの真っ黒な排ガスをなんとかしてほしいものだ
今回、田沢湖から駒ケ岳方面に高度を上げた場所にある
乳頭温泉郷キャンプ場に前日入りし、翌日午後の打ち合わせまでに温泉と山をとことん楽しもうと画策。しかし夕方よりおびただしい蚊に襲撃されほとんど眠れず、夜半からはものすごい豪雨。これによって蚊の攻撃は収まったものの、間近の水音から・・・・テント内を川が流れている模様(^^;;
こんな環境でも睡魔は確実に訪れるもので、いつ眠ったものやら・・・目覚めれば午前5時過ぎ。足元は池ができていて、まさに水上ベッドだ。あ~キレ~だなぁ・・・なんてしばし水の波紋を見つめていたけれど、仕事道具が入ったミレーのサブザックが半分水没してるではないか!
「
うわわわ・・・ひょえ~」
とひとり叫びつつ、ザックをレスキュー!完全に目が覚めたので、そのままHEXをいちどバラし、目の前の高台へとテキパキ移動させた。はじめからこちらにしておけば水は流れず、蚊にも襲われなかったに違いない・・・今回は設営場所をミスりました。
さて、朝食にクエーカーのオートミールをたっぷり食べて、地図を広げる。目的は廃道になりつつある登山道の途中にあるはずの硫黄源泉であった・・・

本来であれば上の尾根上を西から東にたどるルートが整備されていて気持ちがいいはず。しかし、この一本松沢の谷底のルート横の崖にはおびただしい
硫黄の噴煙が立ち上り、おまけに今はなき古い時代に温泉があった場所には、いまだに岩の間に湯が自噴し続けているのだという。ここで、ひとっ風呂浴びるのが目的だ、フッフッフ
行程を登山地図で見てみると往復3時間半。
しかし2万5千の地形図で水平距離と高度差、地形を眺めると、荒れた道の藪こぎをしたとしても、
3時間かからずに往復できるかな、と思った。
【予想タイム】
黒湯―(70分)→乳頭山
乳頭山―(25分)→硫黄温泉(入浴)
硫黄温泉―(20分)→黒湯

出だしは、もうもうと湯煙あがる秘湯・黒湯横の一本松沢にそった道を上流へ。 途中、川を対岸へ渡ると・・・ん?? 登山道のふみ跡がどんどん怪しくなり、やがて笹薮が覆いかぶさって完全な藪コギに。

下はジャージで問題ないけれど、上はポリエステルのぴったり半そでシャツ。長袖を羽織るのは暑いので、両腕を守るためホールドアップの姿勢で延々と藪をこぐ。周囲はブナの森なので、熊と遭遇しないことを祈りつつ、汗だらだら。

そうこうすると右岸の踏み跡は泥壁に行き当たり、見回すと踏み跡は沢へ。しばらく一本松沢を水流中の岩を飛びつつ上流に向かうと、なんと岩が真っ白になっている。これは周囲に自噴する温硫黄温泉がここに流れ込んでいる証拠だ。
沢水をすくってにおいをかぐと・・・かすかに卵のようなにおい。時々吹き抜ける風も、強烈な硫化水素の臭いがする。きりのいい場所で沢を対岸に渡渉して、ふたたび藪コギしていると・・・周囲一帯が硫化水素の臭いで満ち溢れた。うわ、卵臭いなぁ・・・

そう思った瞬間、藪が消えて、あちこちにゴボゴボと自噴する温泉があった。
ここかぁ、と思い、目の前の岩山を裏側に回り込んで見ると・・!畳二畳ほどの岩のくぼみに硫黄泉が自噴して湯気をあげているのを発見した。手を入れて見ると・・・・おおお!いい湯だ!たぶん39度~40度。ちょっと熱めの最高の温泉です♪

(これが自噴する野湯。硫黄泉です)
これを発見したからには、さくさくと乳頭山(烏帽子岳)の頂を踏んで、ここでゆっくりしようとファイト一発。順調に高度を稼ぎ、ザレ場を超えれば山頂。今までこのエリアの山は秋田駒ケ岳しか登ったことがなかったけれど、ここの山頂は烏帽子の名で呼ばれるだけあって、切り立った岩頭ピークで迫力抜群だ。


東側は寒帯特有の美しい湿地が広がり、西側はいっきに切り立った断崖絶壁となっている。東西でこれほどの違いを見せる山も珍しいのではないだろうか。今回はあいにくのガスった天気だったけれど、これがもしもガスが晴れたなら、360度グルリと見渡せる想像を絶する
素晴らしい絶景に違いない。
下山途中に、さきほどの温泉はゆっくりと堪能。
午後一時からの打ち合わせのため、ばたばたと山を後にして、キャンプ場でサブザックを背にしてバスに乗り、田沢湖の町に向かったのでした。この後、打ち合わせは13時~15時。今日は宿を用意しますよ、というクライアント担当者の言葉に、僕は・・・
「あの、せっかくなのですが、昨日から泊まってるんですよ」
「え・・・どちらにお泊りでぇ?!」
「上の、休暇村乳頭温泉郷のキャ・・・」
「あぁ!休暇村にぃ!じゃぁ仕方ないですね。その領収書はあとでこちらに」
「はあ・・・」
というやり取りで、別れたのですが、最後まで「キャンプ」という言葉を伝えられずに終わってしまいました。彼らは僕が休暇村乳頭温泉郷で温泉を堪能していると思ったようだった。仕事で秋田に行った人間が、夜に豪雨に遭遇し、蚊に襲われ、アルコールストーブで食事を作っているなんて誰だって想像しないに違いない。二泊分、2000円の領収書は闇に葬る予定です(笑)
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よく使っていたのは孫六コース、懐かしわ~~♪
地図をクリックしてみたら おぉ~~~田代平山荘!!!ここで昼食をしていると 決まってオカルト話になったものでした~~(笑)
ひゃ~~、秘湯中の秘湯ですね!!!!
乳頭山のTOP、プチ槍ヶ岳っぽいですよね~
「I'm the king of the world」の世界^^ ってクサ過ぎ?(笑)