
東北の秘密のキャンプ場
このGWは東北地方へキャンプにでかけた後に家族と別れ白馬・五竜を登り、今しがた戻りました。
毎度の事ながらGWともなればどこのキャンプ場もかなりの混雑が予想できるため、ひっそりと温めている“とっておき”のキャンプ場を利用することになります。今回は、そんなとっておきの秘密にしておきたいキャンプ場ばかりを回ったのですが、予想どおり、全てガラガラ状態で場所によっては単独のこのうえなく静かなキャンプが堪能できました。
最初の“
とっておき”キャンプ場は抜群の眺望が楽しめる山形の山間部・・・
山形の赤湯温泉の間近に夕鶴の里という場所があります。お目当ての秘密キャンプ場は、夕鶴の里から山中深くに車を走らせます。清流に沿って山道を走り、やがて暗い山を越えると・・・日本昔話にでてくるような隠れ里のような懐かしい風景がとつじょ出現します。

人家はわずかに二軒ほど。最後の藁葺き古民家を過ぎたその先にひっそりとあるのが市営の「
大野平キャンプ村」という名のキャンプ場です。ここはおびただしい縄文遺跡があった場所で、8000年前頃に数千人が集落を形成していた、といわれます。
キャンプ村に入ると、誰一人姿が見えません。つまり独占。携帯電話が圏外なので管理人の本木さんの家に利用することを伝えます。家は最後の藁葺き屋根の家です。それ以外に民家はありません。
ここに至るまでの清流では
野生の岩魚を釣ることができます。地元の集落の老人が途中で岩魚釣りを楽しむ以外、誰も見かけませんでした。僕は今回フライで5匹の釣果がありました。
さて、このキャンプ村の横をちょろちょろ流れる清水には、数え切れないほどの
サンショウウオが生息しています。ちょっと覗けば人気に驚いたサンショウウオガあっちでもこっちでも動く姿が見られます。
さらに素晴らしいのは夏になると数種類の
ホタルが入れ替わり飛んぶため長い期間楽しめます。ここのホタルはその数がものすごく、手で触ることもできるほどです。誰一人いない縄文の里で人知れず乱舞する夥しい数のホタルの光は、まさにこの世のものとは思えないほどの美しさです。これがキャンプサイトから眼下いっぱいに明滅するのですから・・・
しかし地元の人もあまり知らないため見物客は皆無。当然キャンパーも限られた常連メンバー以外は皆無。常連メンバーとは言っても毎回同じ顔ぶれです。遠藤さんという陽気な地元の方とその仲間の面々です。
二年前までは蚊などはほとんどおらず、上半身裸で夕方を過しても刺されるなんてことはありませんでした。しかし昨年から蚊が発生し、今回も蚊が出ました。まあ、蚊とはいっても数は少ないのでハーブスプレーと蚊取り線香で安泰です。ここより五色沼のキャンプ場のほうが数倍蚊に刺されます。
キャンプ場は縄文の竪穴住居が復元された場所の後ろを筆頭に、住居周辺、高台の広場など数箇所にテント設営が可能です。オートキャンプするのであれば竪穴住居の手前の広場が最適でしょう。

水は井戸水をポンプで汲みあげています。ここの水は非常においしくて、生で飲用できます。心配な方は煮沸したほうがいいかもしれません。僕は当然、そのままオイシク飲んでます。

そしてトイレ。男女別で水洗です。もちろんトイレットペーパーはありませんから要持参。そしてキャンプ場を出発する時にトイレを掃除しましょう。

このキャンプ場は夜間に靄が下の野原に湧き出して、まるで雲海の上にぽっかり浮かんだ孤島にいる気分を楽しめます。遠藤さんは、ランタンの光の下、1人読書していたとき、下の野を駆け回る子供の姿が見えた、と話していました。彼は、きっと縄文時代の子供だったに違いない、とうれしそうです。

翌朝、靄に包まれる野原を見ていると、縄文時代の大集落が今にも出現してもおかしくない気持ちにさせられます。上の展望広場からは、朝日連山はじめ周囲の東北・越後の山々が大パノラマで楽しめます。

僕がここを利用したのは5月3日。ゆっくりと静かな自然を堪能しました。いつ行ってもプライベートキャンプが楽しめて、星空、山並み、ホタルが贅沢に独占できる場所・・・これぞ秘密にしておきたいキャンプ場ベスト10に入るキャンプ場です。
もちろん
無料です。
【大野平キャンプ場】◆連絡:0238-72-2111(管理人宅)
◆場所:山形県南陽市漆山
◆期間:5月~10月
◆料金:無料
◆サイト:竪穴式住居奥(テント約6張)、水場横の草地(20張~30張)、展望台下広場(20張~30張)
◆設備:男女別水洗トイレ(紙なし)、水場(井戸水・飲用可)、照明無し、管理人不在
※ここは管理人さんの土地で、それを市が借りて一般に開放しています。公式にはキャンプ料金が存在しますが、管理人さんは来てくれるだけで嬉しいと言って料金は徴収されません。その気持ちに感謝して、立ち去るときはサイト周辺とトイレを必ず掃除するようにしています。
※ここはかなり細い道を入るので、大きな車や車高が低い車はきついです。地図も複雑で、そのせいか来場しようとする多くの方が途中で不安になって引き返してしまう、ということです。しかし、道がわからなくなったら、地元部落の方に尋ねれば親切におしえてくれます。あきらめずにアプローチする価値は絶対あります。ソロキャンプ好きにはたまらない、別天地ですから。保証します。夏の日中はブヨがいますが、朝夕は最高です♪
※赤湯温泉にはたくさんの温泉公衆浴場があります。どこも硫黄の温泉で、入浴料は100円。早朝から営業しているので朝湯が楽しめます♪
◆
地図はこちら【以下はキャンプ場に至るドライブルート】
最初は清流の横を山中に。ぎりぎりすれ違える道幅です。この清流のもう少し上流で岩魚がたくさん釣れます。

やがて道は細くなり、すれ違うのは不可能になります。対向車が来たらジムニーの場合横の斜面にぐりぐりと乗り上げます。

そして山を抜けると、こんな昔話に出てくるような隠れ里に。ここも道はせまいですが、対向車が来る可能性はほとんどゼロです。

これがキャンプ場入り口。ここから多少のオフロードを走ってサイト着。
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ん~~・・・何とも言えんイイ感じのキャンプ場・・・
必要最低限の施設・・・コレが良いんですよね~。
九州にも秘境クルソン峡と言う所にキャンプ場があるんですが・・・
今年こそは行きたいと思ってますが・・・