
【逸品CLUB】一生モノのオリジナル・シェラカップ
クライミング、トレッキング、バックパッキング、オートキャンプなど、アウトドアで活動している人なら誰しも愛着のある道具というものがあるはずです。
僕の場合は、クライミング道具ではなく、無骨でなんの飾り気もない、ちいさなちいさなカップです。そのカップの名称は“SIERRA CUP(シェラカップ)”。ジョンミュアにより創立されたサンフランシスコの自然保護団体“
SIERRA CLUB(シェラクラブ)”が会員用に配った・・・というドラマを秘めています・・・
このカップは、ずいぶん前・・・たしか高校一年の夏に手に入れました。当時、山岳のクラブに所属していたため、登山とクライミングに明け暮れた毎日でしたが、心に燃える情熱はバックパッキングとヨセミテのクライミングでした(^^; 寝ても覚めても読むのはその手の雑誌ばかり。

で、とうとう雑誌の中で、必ず目にしたシェラカップが欲しくてたまらなくなったのです。似たようなカップはいろいろありましたが、
欲しいのは本物のシェラカップ。で、
シェラクラブのマークが入ったこれを手に入れた、というわけです。このカップの収益の一部は環境保護活動に使われていますから、間接的に寄付したというのにも満足感たっぷり。しかし取っ手の形状のため登山のパッキングには不向き。ですので山岳部の山行では使用せずに、使うのはもっぱら個人山行のときだけ。

個人で出かける山域はカヤトの原が広がる秩父雁坂方面とか大菩薩、それに金峰山経由の廻目平とか。とにかく静かでバックパッキング気分が楽しめる山を探して出かけたものです。明るい森や風が吹き抜ける尾根でマナスルを出して、シェラカップで紅茶を飲んだり、調理したり。ほとんどこれひとつで済ませていました。
いつも煤を丹念に磨いて綺麗にしていましたが、やはり使い込むとそれなりに汚れがしみこみます。ですが、まだまだ使える。これを眺めつつ思うに、これは一生ものです。おそらくは少年の頃に手に入れて、死ぬまで使える数少ない誇り高き道具だと思います。
これで焼いたり炒めたり、調理をするのですが、もっとも重要なのが炊飯。米は半合。磨いだ米をシェラカップに入れて、水を七分目ほど。これはアバウトでOKです。そして普通の炊飯同様にしばらく水につけたまま放置。次にストーブにシェラカップをのせて点火。鍋炊飯の場合は最初は強火ですが、シェラ炊飯は弱火を使用します。10分ほどで沸騰しますので、そのまま数分経過させ、おもむろにスプーンなどでかき回すと、だんだんと米の粒が見えてきますので、頃合を見計らってアルミホイルで蓋をします。そしてタオルなど多少保温性のあるものの上で15分ほど蒸らせば完了。
1:米を半合
2:充分(30分ほど)に水に浸す
3:蓋ナシで弱火にかけて沸騰させる
4:米をかきまぜ水分を飛ばす
5:火から下ろしてホイルで蓋して蒸らす(15分~)
※この蒸らしを余裕持って行えばおいしいご飯になります
着火から出来上がりまで、30分かかりません。これ以外にも様々なメニューがあります。たとえば、炊飯ではなく、生米を炒めて蒸すピラフとか・・・ブレックファーストであればパンをフレンチトーストにして、それにブルーベリーのコンポートをのせてコーヒーを添える、とか。これ、けっこういけるんですよ。
最近100スキの料理本が出ていますが、そのレシピはシェラカップ用にも応用できます。こうしてこのカップひとつとストーブを持ってキャンプしたその痕跡が、この黒いシミの正体でした。


シェラクラブ創立100周年の記念エムブレム。
SIERRA CLUB(シュラクラブ) オリジナル シェラクラプカップ
これぞ正真正銘の本物シェラカップ。どうせ持つなら本物の逸品を。
1892年、自然保護の父であるジョンミュアにより創立されたサンフランシスコのシェラクラブは、自然保護に対し功績を残し、その影響力は全米といわず全世界に拡がっている偉大なクラブが会員に配ったオリジナルカップがこれ。



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テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用
思い入れの強いカップ。
写真やユウさんの文章から伝わってきます。
残念ながら我が家は本物も違うメーカーのもシェラカップを持っていません。
そんなにいろんな調理に使えるなんて知りませんでした。
まだキャンプを始めて数年。
そんな愛着のある道具がでてくるよう、続けていきたいと思いました^^