
もうしばらくすると、ブナに結実する頃です。
ブナの実が不作だった昨年、今年も同様でしょう。で、このようなことを書くと、熊がまた里に降りてくる、と考える人も多そうですね(^^;;
確かに熊に襲われれば人などひとたまりもありませんが、熊は人と戦うために里に降りてきているわけではなくて、その目的は食料。どんどん森がなくなっている、という証拠ではないでしょうか。
僕の住んでいる八王子の奥地でも、この数年で豊かだった森のほとんどが宅地造成に消え去り、今では赤土の平地や、削られた山肌が見渡す限りに広がっています・・・
高尾の奥や多摩、丹沢・道志あたりでも
熊があたりまえに生息しているし、山中に分け入れば時として熊に遭遇できたりもします。これは
ごく当たり前のことなのですが「熊に注意」なんていう注意書きがあちこちに立てられ、それを目にすると、熊って危険な存在なんだ、なんて誤解されてしまいそうで気がかりです。
基本的に熊は
人の気配がすれば隠れてしまいます。奥羽山脈の森では目の前を猛スピードで熊が走り抜けたこともありますが、まあたいていはコソコソ隠れてどこかで息を潜めています。
このときの熊をはじめとする
動物の警戒する視線が、時として背筋のゾクゾク感や鳥肌となって現れたりします。これは剣術家が感じる“
殺気”というものと、たぶん同じものでしょう。山中を歩いていて、ふいにゾクゾクして鳥肌が立つとき、周囲を注意深く探ればたいてい動物が隠れています。
これを知ったのは、奥羽山脈を何日もかけて踏破している学生時代。いやにゾクゾクして鳥肌が収まらないことがあった翌日。以前の記事に書いたように口笛を吹いていたのを炭焼きのお爺さんに「
山で口笛吹くと魔物が寄るから吹くものでねえ!」と怒られた際に
「
口笛吹いたから、その魔物で鳥肌が立つのでしょうか」
と言うと、
それは動物が隠れ見ているんだ、そのせいで鳥肌たつんだと言われ、初めて知ったのです。つまり動物の放つ殺気のようなものでしょう。
これを逆手にとって考えると、もしも何者かに追われて逃げ隠れる際に、無心にななねばなりません。無心になれば、このような殺気を放つこともありませんし、もしも相手が危険な動物であってもこちらの気配を悟られることもなし(笑)
さて、この熊ですが、日本では年間に8千頭が捕殺されています。
日本列島の、杉以外の自然の森に生息する熊は一万頭あまり、なんていう報告もありますが、このままいくと日本狼のようにこの国の熊は絶滅してしまうのでは、などと危惧してしまいます。
数が減れば個体の生活圏が散らばり、その結果交尾の機会も激減します・・・そうならないことを願うばかり。

彼ら熊が嗜好するものに、ブナの実があります。ブナの実は、晴れ渡った秋の森を散策すれば、そこかしこに落ちているのを容易に見つけることができます。このブナの実・・・熊ばかりでなく野山に生きる多くの動物の貴重な食料でもあります。
では、次回は、このブナの実の味などを・・・
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テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用
私がよく行く栃木の林道にも熊が生息しているらしいです、あちこちにテントを張れそうな場所はあるのですがその獣達が怖くて林道ではキャンプ出来ないんです^^
山に入るのもバイクで入れる範囲ですし、いくら熊でもエンジン音がすれば近寄っては来ないと信じてます。
とても徒歩で入る勇気は無いんです、子育ての時期の熊には遇いたくないですね。
熊は嗅覚も優れてるから、風上から近づくと人の気配を察知するんでしょうけど、へたに風下から近寄ったら恐いですね。
冬眠する前にマツヤニを食べるって聞きました。
これで肛門に栓をして食物を食べおなかの中に貯めたまま冬眠に入るって聞きました。
空腹ではゆっくり冬眠できないんですね。
ん~~そういえば、、
あちこちに熊注意の看板ありますね~あれ見るたびに、そのへんにひそんでいる気がして、ヒヤヒヤですぅ
熊も生存が
とても厳しくなっているのでしょうね。
基本的に熊がいるところには
いきたくないのですが、
熊も本来私達がいるところに
姿を現したくないんでしょうね・・・・
よほど飢えたときに
殺気を出すんでしょうかね?
”熊嵐”とかいう昔の怖い事件の話
を知ってから、
山奥のキャンプ場でひとりぼっちの
とき、クマがこやしないかビクビク
してしまいます。
酒の勢いを借りて麻痺させますが。(^^
動物の警戒する視線を感じて鳥肌が立つ。
なんて、”おぬし、なかなかできるな。”(笑)
でも、もともと人間は皆そうなんでしょうね。
私は都会の人ごみでの生活が長いせいか、そんな本能も失っているようです。
熊も生きて行くためにエサを求めて下界に下りてくるのは分るのですが…
やっぱり怖い。
森で遭遇した日には、絶対声を上げて逃げてしまいそうです~~~ (ノ*o*)ノ
よく熊よけの鈴や唐辛子のスプレーなんて売ってますけど、アレって実際効くんでしょうか?
山中でテント泊してる際に、熊が寄ってこないようにする手立てとか有れば教えてください。
★横道 さん★
もうどこにでも生息してますからね(^^;
でも、向こうから寄って来るっていうことは滅多にないので、だいじょうぶと思いますよ。僕は、山奥の沢でたびたびビバークしてますが、特に別状なしです・・・自分が熊になってような気分もしますけど(笑)
★ゆっちゃん さん★
へーーー詳しいですね!!
マツヤニでお尻に蓋するんですか?! 蓋しないと臭くて一冬越せなかったり・・・とか(^^;;
★たるたる さん★
熊注意の看板は、もうどこにでもあるので・・・それだけ人が熊の領域にまで進出しちゃってるってことでしょうね・・・
★Takaponさん★
たぶん、警戒の視線が殺気のようなかんじで、鳥肌立てさせるのではないでしょうか・・・そういえば、ビルの上から下を歩いている多くの中の一人をじっと見ていると、その人がふいに上を振り仰いで視線があってしまったなんてこともあります(^^;; 殺気だけでなく、気配を感じさせる力が視線にはあるのかもしれないですね。
★kimatsu さん★
え・・・・熊嵐って、どんな事件なんですか??ぜひ知りたいです(^^;
★キャンピングパパ さん★
ふふふ、お主こそ・・・・なんて(笑) 時代劇は大好きです♪ 今書いてるのは江戸時代の剣術&怪談めいた半七ちっくなもの。
たぶん・・・山中をひと月ほどうろつくと、この勘というか、本能のようなものが蘇ると思います。三ヶ月ほど一人で過ごすと、言葉を忘れる・・・って話もありますので、やはりひと月がベストかもしれないですね(^^;;
★liltさん★
熊が多く目撃されている、山奥の河原などでビバークするときは、食料を自分から離れた場所に置くようにしています。 いまのところ、そんな程度です・・・
たいていは人の気配で、近寄ってこないです。アラスカなどに生息する人食いのはグリズリー別だと思います(^^;;
そういえば~豊作は7年おき?とかいいますから
不作不作といいますれど不作があたりまえなんでしょうなぁ 昔々はブナが不作だと鼠が里の農村を食い荒らしまわり飢饉に拍車がかかったとか、、これ何かで読んだ覚えありますなぁ~
熊のイメージは昔少年ジャンプで連載していた「流れ星 銀」のイメージが強くて、鉄砲撃ちの猟師と熊の戦いってのがあるんです^^;
"羆嵐"は大正時代の北海道の開拓民の寒村で実際に起きた史上最悪の熊害事件を元に吉村昭氏がノンフィクション小説にまとめたものです。
三毛別羆事件
でググると詳細がわかります。
#お食事前には読まない方がいいです。
★風さん★
生態系が動物の頭数調整してるかのようですね。今の日本は歴史上もっとも自給率が低いので、飢饉のリスクは大きそうですね・・・
★simoji さん★
マタギと熊の死闘ですね。
でも流れ星銀て・・・思い出せません・・・ていうか、知らないかもです(^^;;
★kimatsuさん★
いまググリました(^^;;;
食事から数時間経過していてよかったです。それにしても、よく知ってますね!
山に入ると時々ひやっとすることありますね。。。こちらの近くの山でも看板と共に、爪痕を発見できたりします。
いずれにせよキャンプ場でないところでは、キャンプする勇気が出ない私です。
★もりりん さん★
キャンプ場がいちばん安心安全ですしね♪
山などのキャンプ指定地では、小屋から遠く離れた森の奥に、水場もトイレも、なんにもないなんてところもあって・・・そういうところはいろんな動物が普通に徘徊してたりします(^^;;
山に入るのもバイクで入れる範囲ですし、いくら熊でもエンジン音がすれば近寄っては来ないと信じてます。
とても徒歩で入る勇気は無いんです、子育ての時期の熊には遇いたくないですね。