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ユウ
Author: ユウ
クラブネイチャー管理人ユウです。犬を連れ、キャンプを愉しみながら、ハイキングやクライミング、沢登りを楽しんでいます。仕事はコピーライター、プランナー、PR。
都内から房総に移住し、山恋しくて今は丹沢の山並み見える神奈川にUターン。
山と音楽と本があればシアワセ。

メールは下記まで
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(メールの際は#を@に入れ替え)

【好きな山】
甲斐駒ケ岳、秋田駒ヶ岳、水晶岳、北岳、烏帽子岳(乳頭山)、丹沢山

【好きな曲/アーティスト】
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クラブネイチャーは、山とシンプルキャンプスタイルのためのアウトドアBlog

富士の山、夏の雪降る蝉時雨 by Yu【夏の雪】



昨年、2006年の夏のこと。富士山に雪がふった。

にわかに空かき曇り、雷雲起こり風雨激しく地をたたき、木石ことごとく白く凍えたり・・・大江戸瓦版風に表現すればこのようなところなのだろう。

これは通常の前線ではなく、寒冷前線。山では瞬間風速40メートルを越える風雨が吹きすさび、やがて夜半よりきりきりと冷え込み、凍結が始まります。中には雹が降ったりと、厳しいことこのうえもない、という有様。真夏でも息がテントの中で真っ白に霜となって凍りつく・・・

山をやっていれば高層天気図含めて気圧配置を眺めれば、だいたいの状況は予測でき、行動計画を変更するなど速やかに対応することになる。が、経験値が少ない者の場合、なかなかこうもいかない。

つまり、16歳になったばかりの頃の僕のこと。

これは、以前の記事“寒冷前線通過時に出会った、お隣のビバークな人”の記事よりもはるか昔の、はるかに強烈だった体験です。

高校一年の夏。山岳部の合宿を終えると、すぐに友人と南アルプスの北岳に向かった。登山口である広河原小屋を出発したのは午前中。空には不吉な雲がたなびき、今思えばこのときすでに天候が崩れる予兆が現れていた。北岳山頂の肩の小屋まではコースタイムでは5時間半ほど。

登り始めて2時間ほどであたりは薄暗くなり、風に雨の匂いが混じるようになった。やがてバケツをひっくり返したような激しい雨が叩きつけ、ものすごい突風が荒れ狂い始める。ペースもだんだんと遅れがちになり、寒さもこたえた。僕らはサントリーレッドの小瓶から直接ウイスキーを飲んで身体を温めながら懸命に登る。

まるで身体を四方八方から蹴られるような、物体と化した風に翻弄されながら急な斜面を這うように一歩一歩上へ。

山が唸るというが、まさに獣のような唸り声をあげて風雨が叩きつける。時刻は四時過ぎ。なかなか思うように登らせてくれぬ天候に気ばかり焦るが、稜線でもないのに、暴風雨のためまともに立ってはいられない。なんせ身体がふわりと浮き上がってしまう。僕らは、お互い飛ばされぬよう声掛け合いながら足元の岩にしがみつき、ついに稜線の上に出た。

その瞬間だった・・・それまでとは比較にならないほどの凶暴な風に屈んだ身体が浮かんだ。四つんばいになった腹の下に風が入ってしまったのだ。真正面からの風に息もできず、必死に顔を下に向けて息を確保しながら両手で岩に身体を引き寄せる。

それでも背中のザックに風がまともに当たって、あろうことか上体がザックに引っ張られ身体がずるずると持っていかれる。これは、はじめて経験する恐怖だった。雨がこんなにも痛いものだということも、このとき初めて経験した。

四つんばいになって、懸命に山小屋を探すが結局断念せざるを得ず、岩稜の風の弱い場所を探してテントを設営。テントはホソノの二人用。山岳用ドームテントだ。ここで日頃の訓練が役にたった。目隠しをしてテントを速やかに設営する訓練のことだ。

立っていられない風雨の中で、5分ほどで設営を済ませると、飛ばされぬよう岩に固定。それでも小さなドームテントは驚異的な風圧にぶわぶわと形を変える。テントに入るとすでに床は水溜りでプールのようになっていた。こんなことには慣れっこになっていたため、構わずマットを敷いて、お茶を入れる。もちろんお茶にはジャムをたっぷり投入し、バターたっぷりのパンを食べた。

疲れた僕らは水溜りの中にシュラフを延べると、ぐしょぐしょに濡れた雨具を着込んだままシュラフに潜り込む。そして30分おきに交互にテントの係留補強のために暴風雨の中に出ては入りを繰り返した。

それでも短いながらも熟睡し、午前二時頃には暴風雨も止んだ。すると今度は、とたんにきりきりと冷え込み始めた。時折の風に顔に氷のようなものが落ちてくる。ヘッドランプをつけるとテントの内側が霜で真っ白になっていた。

「寒冷前線だ、ヤバイ!」

ぐったりと横になっている友人を叩きおこす。僕らは雨具を脱ぐと濡れた衣服を着替え、ザックからシュラフカバーを取り出し、そこに入ってからぐっしょりと濡れたシュラフに入る。これならいくら濡れていようと温かい。これから襲いかかるものすごい冷え込みでも大丈夫だろう。

案の定、キリキリと音がしそうなほどの寒さが押し寄せてきた。

僕らはセータはじめありったけのものを着込んで寒さに耐える。シュラフから出ていた濡れたままの頭髪が真っ白に凍ってしまった。風が吹くたびにテントのウォール上に凍りついた湿気がパラパラと落ちてくる。身体の震えはとまらず、たまらずにホエーブス(ストーブ)に点火。しばらくするとテントの中に蒸気の湯気が立ち込め、霜がみるみる消えてゆく。

空が明らむ頃、外に出た。すると、なんということか・・・

霜柱でばりばりになったあたり一面には岩を乗せたテントが4~5張り、いやもっとあったかもしれない。どれもポールを抜いたうえに風に飛ばされぬよう石を無数に乗せている。テントを捨てて避難した跡だった。

「エスケープしたなら小屋は近いんじゃないか」

その友人の言葉通りに、ちょっと歩いた先に山小屋があった。昨夜、これを発見することができなかったなんて嘘のようだった。僕らの姿を見た小屋番のおじさんの「おお無事だったか、大変だったな」の言葉に僕らは無言でうなずくと、導かれるままに小屋の中へ。

小屋番のおじさんがお湯を入れてくれながら、前夜の寒冷前線通過は瞬間風速50メートルはあったろう、と。それに続けて「ほんとうに無事でよかったなぁ」の彼のひとことになぜか涙がこぼれて出てしまった。おじさんは、そんな僕らを見て笑いながら頭をグリグリと撫でまわした。

中では前夜避難したクライマーたちが出発の準備をしていた。真夏の8月の山小屋でボウボウと威勢良く燃えるストーブの炎が小屋を生き返らせていた。一晩中風雨と寒さに耐え続けた16歳の僕らは、お湯を飲みそのまま床に横になり夕方まで死んだように眠った。

この寒冷前線によって、新調したばかりの僕のテントはポールが破損。結局1週間を縦走しようという計画は断念した。そして2日間、この小屋でお世話になって、16歳の二人は下山した。

背に30キロ少々の荷を背負った僕らは、二日前に亀のように登った岩場を駆け下りた。この時、不思議に空を飛ぶように駆け下り、風になったような気がした。6時間かけて登ったルートを、僕らは50分かからずに降りてしまった。この記録はいまだに自分で更新できていない。

下の登山口につくと、雲ひとつない青空に真夏の太陽がまぶしい。木陰でバスを待つ僕らは、蝉時雨を聞きながら、また来ような、と約束した。下山途中、北岳バットレスを背景に日の出のオレンジ色の光の中で撮影した一枚の写真が今も手元にある。写真の中でちょとはにかんだ僕の顔は、なぜか誇らしげに見えるから不思議だ。

この暴風雨のとき、富士山でも雹が降っていたことを、後で知った。
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テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用

                                               
Comment


16歳ですでに富士山登山…
それだけでもスゴイのに、死に直面する体験をなさったのですね~( iдi )
風速40mの風…
今だ体験した事はありません。
きっと普通に生活していても厳しいのに、まして山の中。
若さ故に体力が有ったから成せる技でもありますね…
お茶にジャムをたっぷり…想像つきません。
  • 2007/08/20(月) 16:57:53 |
  • lilt|URL
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ちょっとわかりにくかったかもしれないですね・・・これは、南アルプスの北岳です。
10代の頃は、沢登りや岩登りでも、今考えると・・・けっこう無茶していました(^^;;
えー、お茶は間違いでした・・・紅茶でした(笑) お茶にたっぷりのジャム・・・僕も想像つきません(^^;;;
  • 2007/08/20(月) 21:51:29 |
  • ユウ|URL
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★lilt さん★
  • 2007/08/20(月) 22:29:48 |
  • ユウ|URL
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16歳でこの経験ですか・・・
凄いの一言ですね~
  • 2007/08/21(火) 00:23:30 |
  • mb190spl|URL
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お久しぶりでした
北岳っていえばあれですよ マークス
マークスの山はここが舞台だったですよ
登ったことないですが映画をみて登った気になってたです そこですね まさに
  • 2007/08/21(火) 00:28:43 |
  • たるたる|URL
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お久しぶりでした
北岳っていえばあれですよ マークス
マークスの山はここが舞台だったですよ
登ったことないですが映画をみて登った気になってたです そこですね まさに
  • 2007/08/21(火) 00:33:29 |
  • たるたる|URL
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お久しぶりでした
北岳っていえばあれですよ マークス
マークスの山はここが舞台だったですよ
登ったことないですが映画をみて登った気になってたです そこですね まさに
  • 2007/08/21(火) 00:34:50 |
  • たるたる|URL
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ごめんさいです!!!!!
コメントいっぱいアップしちゃったですぅ
  • 2007/08/21(火) 00:38:25 |
  • たるたる|URL
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★mb190spl さん★
当時、山岳部だと、多かれ少なかれこういった経験は誰もがしている可能性高いです(^^;; しごきなんかも普通にありましたし。 だいたい一年の歓迎会合宿をすると新入部員の半分が辞め、夏合宿のあとにそのまた半分が辞めます・・・残るのは一学年あたり3人ほど・・・
  • 2007/08/21(火) 09:08:52 |
  • ユウ|URL
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★たるたるさん★
またバックパッキングですか?
今度はどちらへ?
コメントは・・・まあ、気にしないでください
  • 2007/08/21(火) 09:10:34 |
  • ユウ|URL
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話の内容が凄すぎて、想像がおっつきません^^;
山岳部の方って、みんな凄い体験してるんですね・・・
普通のキャンプで雨が降ると、出撃中止のオイラって^^;
  • 2007/08/21(火) 09:51:51 |
  • simoji|URL
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ぐっしょり濡れたシュラフにくるまり震えるつらさ‥‥思わずブルッとしました。
ここまで凄くないですが、夏の富士山の8合目で雨に降られた時、小屋に逃げ込んで着替えようとしたのですが手がかじかんでボタンが外せなかったのを思い出しました。
  • 2007/08/21(火) 12:12:13 |
  • ろんがあ|URL
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★simoji さん★
僕もキャンプの時は、雨だと出撃取りやめます(^^;; 登山の時は雨でもでかけますけれど・・・とくに上越方面の山だと、たいていは午後にさしかかると一雨きますし。登山に雨はつき物なので仕方なしですが、キャンプは晴天に限りますよね(^^
  • 2007/08/21(火) 22:47:46 |
  • ユウ|URL
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★ろんがあ さん★
指に思うように力が入らないんですよね。それにしても8合目の雨、さぞかし寒かったことでしょうね(^^;; そのまま小屋で着替えて、登り続けたんですか??
  • 2007/08/21(火) 22:52:31 |
  • ユウ|URL
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こんな過酷な経験が在るから
ユウサンのバイティリティーは
半端じゃないんですね!
人生何があってもだいじょうぶでしよ?(笑)


読んでて息が苦しくなりました・・・
これも、ある意味怪談ですね(汗)
山の天気は恐ろしい・・・


★Takaponさん★
人生の師に「君の行動はまったく先が読めない・・・」と評されたことがあり、これから察するにバイタリティというより、考えるより先に動き出す困り者、なのかもしれないです(笑)
人生なにがあっても・・・何かあったら嫌ですね~何があるんでしょ?? その何かが怖い・・・右から左に受け流せればラッキーです(^^;;
  • 2007/08/22(水) 16:35:52 |
  • ユウ|URL
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★チャイ さん★
あっ!!!怪談CLUB忘れてました!
夏だっていうのに、怪談話をアップせずいつ出すの~ですね(^^;;;
  • 2007/08/23(木) 00:25:46 |
  • ユウ|URL
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夏でも山の上は別世界なんですね。テントの中や濡れていた髪の毛も凍るってこの暑い季節の中では想像つかないくらい凄い経験ですね。驚きました。
ちなみに私も中学生の時のキャンプの時に嵐でテントが水没しましたが寝てられなかったですよ。ぜんぜん普通の平地で気温も普通でしたが無理でした(笑)
  • 2007/08/24(金) 00:43:27 |
  • norinori|URL
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上昇気流側であれば、100メートルで1度さがりますから、直射日光は別として、温度は寒いですね~。ここに寒冷前線が通過すると別世界の形相垣間見えます。
水溜りのオネムチャンは、たぶん・・・慣れかもしれません。数回やれば、なんでもなくなると思います(^^;;
  • 2007/08/24(金) 12:32:06 |
  • ユウ|URL
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数回もやる?! やりたくないですなー できれば快適ぬくぬくにというヤワな小生 とてもこんなことできんですよ(笑 話きくのは面白いですけど
  • 2007/08/25(土) 02:15:23 |
  • 風@携帯|URL
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★風さん★
わざわざ、こんなことを経験しにはいかないですよぉ(^^;; 僕も話だけにしておきたいです。
  • 2007/08/26(日) 11:51:16 |
  • ユウ|URL
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