記憶のかけらぶらりと入った古書店の店頭には数々の雑誌が山積みされていた。その中に「山と渓谷」とか「岳人」とか山岳雑誌のバックナンバーが無造作に積まれ、それを丹念に眺めていると・・・なんと下のほうから「岩と雪」なんていう、今は無き、かつて愛読していた雑誌まで発見できた。
さて帰ろうか、と思いかけたとき。チラと視線の隅に見えたのが見慣れた風景と、そこにでかでかと印刷された“山々へ”という文字。ボクは考える間もなく、思わず体が反応してしまい、気づけば雑誌を手にしてした。雑誌はEsquire(エスクァイア)。2008年12月号で「美しき日本の山々へ」という特集号だった。

表紙を飾っているのはタレントの
加瀬亮さん。北穂へのルートで撮影されたと思われる、気持ちよさそうなスナップだった。
ページをパラパラとめくると、一枚の写真に目は釘付けになった。それは、今まで何度かお世話になったことのある、見慣れた
北穂小屋のサロン。それも、ボクの大好きな席でくつろぐ加瀬さんの姿だった。使い込まれテロテロと黒光りする調度品は貫禄だ。

読み進むと、加瀬さんは北穂に登頂することになるのだが、そのときガイドした人物のスナップも小さく掲載されていた。
それは、たしかに涸沢小屋のTさん。このClubNatureからもお気に入りリンクしている「
涸沢小屋小屋番の一休み」というブログの主だった。千葉の田舎町で起こった偶然の出会い。
しかし、本当に偶然ともいえる運命の出会いは雑誌の後半にあった。それは、悩み多き20代の頃の心のよりどころでもあり、いつしか遠ざかって以来、心の片隅でずーっと気になっていた懐かしい恩人ともいえる女性の消息だった・・・
◆つづきリンク:
夢と消えてしまったSoulBar George’s(ジョージ)
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