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Zetterlund
Author: Zetterlund
クラブネイチャー管理人です。犬を連れ、キャンプを愉しみながら、ハイキングやクライミング、沢登りを楽しんでいます。仕事はコピーライター、プランナー、PR。
都内から房総に移住し、4年後に山恋しくて今は丹沢の山並み見える神奈川にUターン。
山と音楽と本があればシアワセ。

メールは下記まで
info.clubnature#gmail.com
(メールの際は#を@に入れ替え)

【好きな山】
甲斐駒ケ岳、秋田駒ヶ岳、水晶岳、北岳、烏帽子岳(乳頭山)、丹沢山

【好きな曲/アーティスト】
・マーラー/ベートーベン
・チャイコフスキー
・ラフマニノフ
・アンネ ゾフィー・ムター
・松田聖子
・ジョニー ウィンター/プリンス
・ウラディーミル・アシュケナージ
・アンドラーシュ・シフ
・フジコ ヘミング
・バレンボイム


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・相互リンクはしていません

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クラブネイチャーは、山とシンプルキャンプスタイルのためのアウトドアBlog

いすみ鉄道「西大原駅」の満開の水仙

【ローカル線で楽しむネイチャーな房総-1】


081231_1.jpgここ数日、空には雲ひとつなく真っ青に晴れ渡っている。あまりにもぽかぽかと暖かいので長袖Tシャツ(カットソー)の上にダウンジャケットを羽織り外房線に。大原で乗り換えたのは房総の単線ローカル線いすみ鉄道。黄色い一両だけのかわいい電車だ。

今さらながらに気付いたのは、房総はローカル鉄道の宝庫だとうこと。単線でコトコトのんびり走る鉄道は、いすみ鉄道をはじめ、小湊鉄道、久留里線、銚子電鉄のほかまだ複数走っている。そしてどれもこれも、その多くは無人駅だし、昭和以前に建てられた木造の駅舎がいまだに残っていたりもする。

081231_2.jpg今回はいすみ鉄道で「上総中野」まで行き、小湊鉄道に乗り換えて「関東の駅百選」にも選ばれている「上総鶴舞」まで地元を知る小さな旅をしてみた。当初はダウンを着ていたがまるで春のような房総の陽気はカットソー1枚で充分。ついウトウトしかけ、眠気覚ましに降りたのは、小道横にどこからでも上り下りできる小さなホームがぽつんとある駅だった。

駅舎など何も無く、あるのは木造の小さな小さな待合スペースだけ。ホームの上には水仙が満開だった。次の電車までかなり時間がある。ボクは陽だまりの待合で、トートバッグからトランギアストーブとケトルを取り出してコーヒーを入れて読みかけの文庫本のページを開いた。

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初めて買った懐かしいサレワのアイゼン 10本爪

081230_1.jpg年末大掃除のためすでに使用していない古い山道具の箱を整理していると、昔使っていたアイゼンが出てきた。年代別に並べると手前から時計回りの順になる。一番手前のシルバーのタイプは、爪の形状でわかるように、歩行を重視して作られた10本爪。中学三年の冬にお年玉で買ったもので、メーカーはサレワ(SALEWA) 。今ではほとんど見られなくなった二本締めアイゼンバンドもそのままついている。

当時はなぜかサレワが好きで、馬鹿の一つ覚えのようにして水道橋まで“サレワのアイゼン”だけを目的に電車に揺られたことを昨日のように思い出す。そして迷うことも無くこれを手に入れて、御茶ノ水まで歩き、キッチンカロリーという洋食屋でハンバーグを食べ、隣の穂高という喫茶店でココアをたのんだ。

店の右奥の隅の席でココアを飲みながら、買ったばかりのサレワの10本爪のアイゼンを箱から出して眺めていると、「きみ、冬山行くのかい」と、ふたつ向こうの席から若い男性の二人連れがにこにこと笑っていた。

081230_2.jpgはい」と答えると、たしか「どこに登るんだい」と、そんなようなことを聞かれ、ボクは顔が真っ赤に火照る感覚を覚えながら、なぜかとっさに「穂高です」と答えてしまったのだ。

気持ちとは裏腹に、言葉が勝手に口をついて出る気味悪さというか、ちぐはぐな感覚をこのときほど強烈に感じたことはなかった。自分でも、これは嘘だ、と思ったが訂正する勇気はなかった。

その二人連れとその後何かを話したはずだけれど、何も思い出すことができない。唯一覚えているのは、そのふたりが帰り際に「将来は、明治大学の山岳部に来いよ」と言って優しく微笑んでくれたことだけ。

このアイゼンと親からのお下がりのシモンのウッドシャフトのピッケルで最初に向かったのは奥秩父だった。はたしてルートはどこをどう登ったのか、曖昧模糊としているけれど、雪深い中、避難小屋でストーブに火を入れて一夜を明かした光景が、分断された映像としてところどころ記憶の片隅に息づいている。

紅茶を入れてもすぐに凍ってしまったこととか、化繊の3シーズンシュラフの寒さとか、あとは白樺の薪がものすごくいい香りで燃えることを知ったのもこのときだった。

さて、その上の黒いアイゼンは12本爪で、つま先を岩や氷に突きたてて立つこともできる。こちらは大学時代と社会人になってからそれぞれ手に入れたもので、やはり今では使っていない。現在はペツルシャルレM10というモデルを愛用しているのだけれど・・・いつか、昔のシモンの木製シャフトのピッケルと、一番最初に手に入れたサレワのアイゼンで、最初の冬山である奥秩父に再び分け入ってみたい。

◆関連記事リンク:SIMONDのピッケル

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テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用

雪中キャンプへの憧憬

081227_01.jpg今日から休暇という方も多いのだろう。

すでにキャンプにでかけてしまった人もいるはず。二年前までのボクがまさにそうで、その年最後の仕事が終わるとアイスバイル2本をピッケルホルダーに装着したザックを背負い、新宿駅から特急の『あずさ』あるいは『かいじ』に胸躍らせながら乗り込んだもの。

冬に大好きなキャンプサイトは、やっぱり八ヶ岳エリア。たとえば赤岳鉱泉小屋のテント場とか、その奥の地蔵小屋テント場がとてもアプローチしやすいうえに、シーズン初期の冬山への体慣らしにぴったり。それに万が一のことがあっても赤岳鉱泉小屋にエスケープできる。さらに、大同心・小同心などのアイスクライミングの人気ルートもすぐ近く。

ボクは赤岳鉱泉のテント場で雪洞に寝起きすることが多かった。静かだし、ロウソク一本でとても暖かいし、なにより洞内に満ちる青い光がとても美しいのだ。光が雪面を透過するとこんなにも青く輝くものなのか、と感動すら覚える。こんな幻想的で快適なキャンプ体験がしたくて、冬は必ずスノースコップを携える。

以前の八方尾根の記事で、テントの周囲にスノーブロックを積み上げて激しい風雪から居住エリアを守っている画像をご紹介したけれど、雪は脅威であると同時に、身を守るアイテムとしてとてもありがたかった。無積雪時のキャンプと積雪時のキャンプでは、装備も楽しみ方も全く違うし、世界も別世界。

もしも無風であれば、スノートレックの野営場所として、雪面に洋式バスタブのような穴を掘り、上にスキー板を並べ小型携帯タープを被せれば、極上の居住空間ができあがる。下にはマットを敷き、可能であればビビィが快適。ビビィでなければシュラフにシュラフカバー。足元はザックに突っ込めば暖かい。

顔部分はタープをどけておくと・・・夜中、青く染まった一面の雪景色の中、あっちにもこっちにも、小動物がさかんに歩き回っているのを見ることができる。できれば月の明るい夜、島々谷のような静かな雪の谷で、こっそりと楽しんでみたい。

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テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用

極真空手を創始した大山倍達総裁ゆかりの地、聖地・清澄山

081226_3.jpg古今、修行場所として多く選ばれる洞窟。洞窟からは山中に共通する印象を受ける。古来より山は異界であると云われてきたのであれば、洞窟そのものも同じく異界なのだろうか。

そういえば古代の墳墓は洞窟に置かれたり、古墳などのように人工的に穴倉が作られそこに埋葬されることも多い。おそらくそれは死と再生の、ある種、呪術的な行為なのだろう。そういえば原初の修験者なども神と共に春に山から里に降り、秋に再び山中に戻る。自然は四季を巡らせ、死は再生の重要なステップとなる。死がなければ誕生もない。日本が少子化している原因のひとつは高齢化にもあるのではないのか、とふと思うこともある。

さて、空海は若かりしころ海岸の洞窟で修行したように、戦後のアメリカ軍進駐時代に山篭りした偉大な人物がいる。極真空手の生みの親、大山倍達だ。

081226_1.jpg日蓮宗の本山である房総の清澄寺は歴史的に重要な場所だけれど、世界の空手にとってもまさに聖地ともいえる場所だ。清澄寺へ続く参道に「ドライブイン重兵衛」がある。このすぐ横の急坂の小道を上ると、展望台に極真空手発祥の地記念碑が鎮座している。

その記念碑には以下のような文言が刻み込まれている。

====抜粋ここから====
極真空手の創始者・大山倍達(1923~1994)は生涯を空手の道に捧げる事を決意し、1948年、清澄山に於いて一年半に及ぶ山籠り修行を行った。飢えと孤独に克ち、修行を全うして驚異的な強さを身に付けた大山は下山した直後、千葉県館山で牛と対決して倒した。その後、アメリカを皮きりに全世界に遠征しプロレスラーをはじめ、あらゆる格闘家と真剣勝負を行い全勝。その技は『ゴッドハンド=神の手』と絶賛された。1954年に創設された大山道場を前身として、1964年国際空手道連盟極真会館が発足し大山は国際空手道連盟総裁、極真会館館長に就任した。極真空手はやがて世界140ヶ国1200万人の門下生を抱える空手団体となり大山は「空手の父」として尊敬を集めた。「山籠り生活の中で私の念頭や胸中には『極真空手』の理念や構想が次第にくっきりと視えてきた」(大山倍達著「自分に勝て!わが性格改造論」より)後に著者の中でこう述べているように、清澄山は極真空手発祥の原点と言うべき聖地である。
====抜粋ここまで====

081226_2.jpg清澄山は非常に奥が深く、他の千葉県の山同様に意外に険しい。はたしてどこで、どのような修行を行ったのか誰も知らないようだが、この大いなる大自然の力を己の身体に取り込み糧にすることを考えると、まさに現代の修験者ではないのか、と思いたくもなる。

ともあれ生涯を通じて『正義と平和』を提唱し続けた大山が弟子たちに次のような言葉を残している。

正義無き力は暴力なり
力無き正義は無能なり


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富士山頂に次いで日本で二番目に初日の出が見られる清澄山

081225_4.jpgとうとう新年まで一週間を切ってしまった。ボクも現在、29日〆切の原稿をウンウンと唸りながら仕上げている真っ最中。完全OFFに入るのは30日からだから、お正月準備が相当あわただしくなりそうだ。

そして迎えるお正月最初のメインエベントといえば初日の出。移住してきたばかりの今年2008年の初日の出は、夢にまで見た“太平洋から昇る初日の出”を堪能。その光景は初日の出の画像とともにこの記事にした。

目の前の大海原から空を染めながら刻々と昇る太陽。足元に寄せる波もしだいにキラキラと輝く朱に染まり、太陽のエネルギーが打ち寄せているような気持ちになってしまった。それがあまりにも感動的でさえあったため「2009年の初日の出も九十九里浜だな」と心に決めていたのだけれど、“富士山山頂の次に日の出が見られる場所が千葉県にある”ということを知り、これは!と思ってしまった・・・
【“富士山頂に次いで日本で二番目に初日の出が見られる清澄山”の続きを読む】
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マタギも愛用する和製スノーシュー

070529_1_20081224112347.jpgいよいよ今年もあとわずか。この一年間は、実に、まったく、めちゃくちゃな一年だった。(※写真は以前の記事に使用した2007年の白馬主稜)

事の発端はもちろん、見通しもなにもなく、とにかく「田舎で暮らしたい!」という思いだけで始めた外房ライフのおかげだ。問題は稼ぎの確保だけれど、これは都内の出版社や広告代理店からの仕事をこなしつつ、地元に企画書を持参してあいさつ回り。コラムや取材記事に混じって南房総エリアの観光事業プロジェクトが舞い込みホッと一息。

しかし以前のように土・日の連休がほとんど取れないのでキャンプや登山の回数は激減した。当初の暇あり状態から一転してほとんど休みなしに机に向かう毎日。貧乏暇無しとは、まさにこれだ。

さて山仲間たちは今週末から年越しでスキー合宿に行く。ボクは靭帯と間接を損傷した左足首がここのところどうも不調で不参加を表明した。登りは楽なのだが下りになると足首がコキコキと音をたて非常に辛い。アルパインクライミングや縦走はそろそろやめようか、とも思っている。かわりにのんびりと歩く山旅や沢登り、アプローチが容易な岩場での岩遊び中心に楽しもうと思っている。

この冬は、スノーシューやテレマークスキーで雪原や雪の森を楽しんでみたい。残念ながらボクが持っているのはかっこいいスノーシューではなくワカン(かんじき)(^^;; ワカンも悪くないのだけれど、かっこよさではスノーシューが一枚も二枚も上手をいくし、深い新雪でも苦も無く歩ける快適さ。ワカンだとどうしてもある程度は沈み込んでしまう。

しかし日本は世界有数の豪雪国。この豪雪をフィールドにする古来からの雪上歩行のプロフェッショナルがマタギだ。マタギは何日もかけて獲物を追って雪山を移動する。そんな彼らが愛用するカンジキこそスノーシューを凌駕する代物だった。アウトドア雑誌には全く取り上げられない・・・つまり隠れた逸品

それが秋田で生産されるシンコウカンジキ・SK-Ⅱ。なんだか化粧品のような名称だけれど、ボクの山仲間にこれを愛用するメンバーが2人いて、ボクは彼らから「スノーシューよりいいと思いますよ」と云われて知ったのだ(^^;;;。新たにスノーシューを手に入れるなら、日本古来のカンジキをベースにした、マタギも愛用する和製スノーシューを検討してみる、なんてどうでしょうね。

スノーハイクに気持ちいいのが奥日光の戦場ヶ原や白馬山麓の落倉高原、岩岳の“どんぐり遊歩道”。落倉高原やどんぐり遊歩道は白馬連峰を眺めながら誰ひとりいない雪原を気持ちよくスノーハイキングできるおすすめスポットです。

◆白馬関連記事リンク◆
白馬のふもと 飯森宮尾氏の見事な古民家
白馬・八方尾根上のカマボコテントと不帰の嶮(不帰キレット)
・Club Nature・Japanese Style創刊号
・姫川温泉 白馬キャンプにピッタリの極上温泉
GW後半過ぎの唐松・五竜岳
白馬 アルプスキャンプ場

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アウトドアのための長~い軸のレトロなマッチ

081222_1.jpgボクは火(焚き火など)を見るとホッとする。ゆるゆる・・・と、五体が弛緩して身体がふわりとする。このとき、キャンプで開放的になったつもりでいたけれど、まだまだ身体に力が入っていたことに気づく。火は、人にとって希望のようなものなのかもしれない。

ヒンズー、バラモン、仏教、密教、キリスト教、イスラム教、神道などなど。あらゆる宗教において、火は特別な意味を持っている。その原初の感覚がこの身体のDNAの奥深くに刻み込まれているのだろうか。キャンプやビバークで焚き火をすると、大きな安心感に包まれてしまう。ほっ、とため息が出てしまう。

081222_3.jpg最近ではロングライターなるものを使用している方を見かけることが多くなったけれど、ボクが愛用しているのはライターならぬ、マッチ。長軸マッチというシロモノで、焚き火や線香の束への火付けに重宝する。もちろん空き缶ストーブやトランギアなどアルコールストーブへの火付けはこれに限る、と思っている(^^;;

これを薄い金属ケースに小型ライターとともに収納してザックの雨ブタなどに入れている。ケースのフタの合わせ部分はシリコンで防水加工。登山であればさらにマッチの薬剤部分にロウを塗って防水。ライターよりマッチのほうが四季を通じて安定して火付けができる。防水マッチというセットも一時期使用していたけれど、今ではこのオリジナルセットのみ。

081222_2.jpg今気づいたけれど、ペーパーマッチに喫茶ケルンと入っている。はて、どんな店だったか思い出せない。学生時代、山岳部メンバーと毎週のように行っていたのは御茶ノ水の『穂高』という喫茶店。待ち合わせるときは、必ずここだった。小田原のケルンも似たような店だったのか?いつ行ったのだろう。そういえば新宿西口にも山男が集まる酒場三平があった。

そういうお気に入りの店のマッチは必ずもらうようにしていたのだけれど、禁煙の波でこうしたマッチもなくなってしまうのかな。もしそうだったら、すこし寂しい気がする。

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そば発祥の地の蕎麦屋 『砥草庵』の蕎麦

081220_1.jpg蕎麦というものは、そもそも信州発祥だとばかり思っていたものを、偶然にも出かけた先で入った小さな蕎麦屋で、ここが発祥であると知らされて目を白黒させてしまった。

八王子に住んでいた昨年まで、週末になると甲州街道に行き先も無いまま車を走らせ、その時々に目に付いた小道枝道に入り込み、気の向くままに一日を楽しんでいた。その先々では思わぬ場所に通じる林道や、キャンプに最適な秘密の場所や、誰が泊まるのか予想もできぬほど古くて雰囲気のある旅館や、観光ガイドブックに掲載されていてもおかしくないような山桜の巨木や、隠れ里のような鉱泉や・・・そんな素敵な数々の出会いがあった。

これが楽しくて、週末になるたび、わくわく子供のように胸高鳴らせ車に乗り込む。

ちょうど、雲ひとつ無いその日も同じように車を走らせた。国道20号線の笹子トンネルを抜けた先の景徳院の交差点を何気なく右折。人通りも車もほとんど通らない田舎道。谷に沿って走る道の先には、武田家が織田軍に殲滅された寺があることを知った。その帰り道、道端に古くて存在感のある一軒の蕎麦屋。

081220_2.jpg実は、山梨・道志村の記事でも書いたけれど、ボクは大のそば好き。藪蕎麦系も更科系も、もちろん田舎そばだって、蕎麦というものが『そばがき』も含めて、好きで好きでたまらない。さっそく中に入ると、蒸篭(セイロ)2枚を注文した。客は一組の老夫婦のみ。最後の蕎麦湯を飲んでいる。

その老夫婦が「ここが蕎麦発祥なんだなぁ・・」などと、聞き捨てならぬことを話していた。蕎麦に発祥などあるものか、と思っていた。原料としての蕎麦粉だけを見れば、かのスペインでもパスタとして蕎麦は昔から食べられているほど。しかし気になる。

背後の老夫婦が席を立ち、ほどなくして蕎麦が運ばれてきた。「おまちどおさまです」と、丁寧な物腰のおかみさんに「蕎麦発祥の地っていう話を聞いたんだけど・・・」と一言。すると、そうなんですよと説明してくれた。

江戸は元禄の頃。尾張藩士であった天野信景が記した随想録「塩尻」にこうあるのだという。“そば切りは甲州より始まる、初め天目山参詣多かれし時、所民参詣の諸人に食を売るに、米麦の少なかりし故、蕎麦を祢(ね)りて旅篭とせし。その後うどんを学びて今の蕎麦切りとなりし、と信濃人の語りし・・・云々”とあって、発祥はここ天目山景徳院らしいです、とのこと。

その原点の切り蕎麦を大切に打ったのがこれなんです、という話を聞いて食欲も倍増してしまった。その味は、たしかに味わい深いものがあったけれど・・・蕎麦は蕎麦。更科のようなコシが多少味わえる細打ちで、雑味のないさっぱりした美味しさ。

今は寂れてまったく人気がないけれど・・・元禄の時代、武田家臣従が眠る天目山には、元領民だった近在の者らが相当数参詣し、帰りにこの蕎麦を味わったのだろうか。すぐ下を流れる日川は、かつて織田に攻められた武田の将兵や身投げした女たちの血で真っ赤に染まったのだという。そんな時代があったことが嘘のように、山鳥のさえずる中、さらさらと静な音を立てて流れている。

この道を大菩薩方面にまだまだ奥に走れば、そこには嵯峨塩館というものすごく素敵な秘密の温泉がある。日帰りも受け付けているので、ぜひ立ち寄りを。ボクが責任を持っておすすめします。

(蕎麦街道 砥草庵)
山梨県東山梨郡大和村田野243-1
05553-48-2414
11:30~19:00 (水曜休)  

地図はこちら(アバウトです)
道志の蕎麦記事リンク

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テーマ:蕎麦屋 - ジャンル:グルメ

ジムニーSJ30をステッカーでチューンする

071025_4.jpgいやあ冷えますね。寒冷前線通過翌日の晴天は放射冷却でいっきに気温が下がり、昨日から晴天だけれど上空に寒気が入り込んでいるから、冬らしくシバレますね~雪山にいなくてよかったよかった・・・

さて、黄色い2スト・ジムニーは外気温が15度を下回ると始動性が悪くなり、今朝のように霜が降りるような気温になると、かなりグズつく。チョークを引いて暖機運転していると、ボボボボ・・・ボ・・ボとエンスト気味になるのであわてて戻してアクセルON。そんなことを繰り返していると、ようやく安定してくる。あ~めんどくさい(^^;;

このジム男(じむお、と呼ぶことに)はクロカン競技のためのハイギアード仕様なので、めちゃくちゃ出だしが遅い。1速3000回転でジョギングする人よりも遅い。もちろん2速3000回転でもオバチャン自転車にかなわない。クロカンということで、この遅さが自慢なわけだけれど、いつもいつもカブのおジイちゃんや軽トラに煽られるのはどうにも気分がよろしくない。

そこで、気分だけでもスカッとしようと行ったのが、ジャン♪ ステッカーチューン!!

いちおう、鉄則としてこのジム男に使用しているパーツメーカーのものだけを使用。でも、あまり誇示するように外に貼るのも憚られ・・・着物の下地に凝る江戸っ子のように内側に装着!!まあ、江戸っ子が下地に凝るのは贅沢禁止令のせいだったんですけど(笑)

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ボンネット裏、ドアパネル、シャーシフレーム・・・これじゃ見えんじゃないか~! と貼り終えてしばし悩んだものの、すでに後の祭り。外見からは何一つ変わらぬジム男は、今日もポンポンと軽やかな響きをたてながら、相変わらずカブに乗ったお爺ちゃんに煽られているのでありました (^^;;

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焚き火ストーブ「プチかまど」を「プチ改造」して楽しむ

081208_2.jpgPickupCamperさん開発の焚き火型・自然力ストーブ、その名も『プチかまど』は、静かに愛好の士を増殖させ続けている。そのうちに『プチかまど』オフ、なんて開催されるのでは(笑)

この「プチかまど」の初号機001はオールアルミ仕様。かなり軽くていいのだけれど、アルミ製の火床にやや不安があった。現在は、アルミボディにスチール火床を備えたモデル、オールスチールモデルがラインアップし、オールステンレスモデルも計画されているようだ。

ボクはすでにオールスチールモデルもリクエストを済ませ、やがてオールステンレスモデルも・・・ぬふふふ
【“焚き火ストーブ「プチかまど」を「プチ改造」して楽しむ”の続きを読む】
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プラスチックを分解するバクテリアを特定した救世主な高校生

081217.jpg近頃の若者は?

最近の若い者は・・・という言葉はいつの時代にも聞かれたようで、江戸時代の文献にも若者の所業を嘆く言葉が散見できる。が、しかし、これは嘆くのとは正反対で「近頃の若者はなんとも素晴らしい」というニュアンスで話したくなるような、まさに偉業を成し遂げた若者。カナダのオンタリオ州ウォータールー市に住む高校2年生(16歳)のダニエル(Daniel Burd)君だ。

この画像は海に廃棄されていたミニバイク。全て朽ちてボロボロだけれど、プラスチック部分だけはきれいに残っている。プラスチックは朽ちる(自然分解する)ことがないために環境ダメージが大きいといわれてきた所以(ゆえん)なのだけれど・・・厳密には数千年という気の遠くなるような歳月をかければ自然分解する。

ダニエル君はこれに着目した。つまり自然分解には1000年という歳月が必要ではあるけれど、最終的には分解される・・・ということは、プラスチックを分解しているのはバクテリアなのではないのか、と考えたのだ。うん、まさしく正しい仮説。

そこでダニエル君は、土にイースト菌と水を加え、そこにプラスチックバッグを粉末にして投入し温度を30度Cにした。すると自然界に放置した場合よりも早くプラスチックの分解が認められた。

そこで彼は温度や条件などを変えて、さらに実験を繰り返す。その結果、彼はプラスチックを分解するバクテリアの正体を突き止めてしまったのだ。この研究に要した期間は・・・なんと、たったの3ヶ月!! ブラボーです。彼が特定したバクテリアの種類は2種。ひとつは緑膿菌属で、もうひとつはスフィンゴモナス属。

これらのバクテリアはプラスチックを食べて発熱し、排出するのは水と少しの二酸化炭素だけ。実に素晴らしい偉業だ。人類がもっとも手こずるだろうとされていた廃プラスチック問題だけに、マスコミはもっともっと大きく取り上げて拍手喝采してもいいだろうに。なぜかマスコミは横並びで同じような事柄しか報道しない。誰かに動かされてでもいるのだろうか。

ともあれ、人類が抱える廃プラスチック問題に解決の風穴をあけた高校二年の少年ダニエル君の偉業ではあるけれど、分解させる一方で相変わらずどんどん作り続けていたのでは化石資源の消費は変わらない。2008年は実際の燃料不足に先駆ける形でヴァーチャルな石油高騰が勃発した。これは前兆ともいうもので、本格的な高騰はすぐそこまで来ているような気がする。それを隠しつつ先進国の利権を保持するために新興国の需要を減らそうとしている巧みなデマゴギーが地球温暖化理論だとボクは感じている。

そんないろいろな思惑を感じつつ、ダニエル君の快挙に拍手します(^^

アメリカの会社Global Resource Corporationが、マイクロ波を照射してプラスチックを石油へ戻す技術を開発しています。しかし、電気として膨大な石油エネルギーが必用なので・・・(^^;;

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テーマ:環境問題 - ジャンル:ニュース

アウトドアな方々のためのクリスマスオーナメント

081215_1.jpgいよいよクリスマス。

クリスマスツリーに飾られる様々なオーナメントにはひとつひとつ理由があって・・・たとえば玉はエデンの園の善悪の知識の木の実。聖人の日では「アダムとイブの日」は12月24日だし、クリスマスイルミネーションは空に輝く無数の星の象徴、ヒイラギはイエスキリストが処刑されるときにユダヤの王の冠としてかぶせられていたもので、受難のシンボルであり緑は永遠の生命の象徴、モミの木の頂点の星はイエス生誕の際に輝き、東方にいた賢者をキリストが生まれたベツレヘムへ導いた星の象徴・・・

まだまだあります。靴下はサンタクロースのモデルになったとされているニコラスが、まるで鼠小僧次朗吉のように、貧しい人に煙突から投げた金貨が偶然にも干してあった靴下に入ったことの象徴、そしてツリーであるモミの木は・・・元々がオーディーン信仰にもとづく北欧の樫の木がベースです。今でもスウェーデンでは樫の木の柱を立てる祭が残っていて、まるで諏訪の御柱祭りそのものです。これなどキリスト教会が権力者に取り入ってイギリス、ドイツはじめ北欧、欧州各地の信仰を弾圧し、キリスト教以外を禁教迫害した名残・・・という話はさておいて(^^;;

まあ、こうした様々な象徴できらびやかに飾られるクリスマスツリー。それなら・・・登山やキャンプ、フィッシング、カヌーなどなど、アウトドアを趣味とする方ならではの、アウトドアなクリスマスツリーのオーナメントがあってもいい。な~んて考えから一個一個ていねいに手作りされたのが、アメリカからやってきたアウトドアオーナメント!!

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(上段左から)ザック、登山靴、フライリール、ハット
(下段左から)クラシックスノーシュー、スノーシュー、クライミングシューズ、タックルボックス


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(上段左から)ポット、シーカヤック、カヌー、シングルパドル
(下段左から)パーコレーター、クロカンサンタ、フライサンタ、MTBサンタ


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(上段左から)登山サンタ、ロデオサンタ、クーラーボックス、クラシックリール
(下段左から)フライベスト、シーカヤックサンタ、カヌーサンタ、クライミングサンタ


テント、パーコレーター、カヌー、クライミングシューズ、フライリール、フライッシャーマンベスト、登山靴などなど・・・様々なアウトドアグッズがデザインされたとってもかわいいオーナメント。これをツリーに飾って、一年を通じて多くの喜びを自分と自分の家族や友人たち皆にもたらしてくれたアウトドアアクティビティに感謝するクリスマス、なんて素敵じゃありませんか!

普通のファミリーとは一味違った、アウトドアファミリーならではのクリスマス!輸入元はA&F。またまたやってくれました。ブラボーです!

◆◆ClubNatureアウトドアマンのためのクリスマスオーナメントのリンク◆◆

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白馬のふもと 飯森宮尾氏の見事な古民家

081214_1.jpgこの見事な家屋は今から119年前(元治元年)に建てられたもので、白馬村地域に伝わる農家建築様式の代表的なデザイン。飾りすぎず、どこまでもシンプルであり、しかも自然体の中に卑屈とは無縁の自由な伸びやかさ。ふらふらと歩いていて、ふとこの佇まいを眼前にしたとき、その圧倒的な存在感にため息がでてしまう。

家屋は当時の人々の気配を、哲学を、考え方を色濃く残すものだ。僕の知らない時代の日本人には、このような風格が漂っていたのだろう。大東亜戦争を戦い、戦争に絶対的な正義など無いものを、戦勝国に一方的に悪とのレッテルを貼られて以降、こうした風格は薄れてしまったものか。

081214_2.jpgさて、その間取りは四間造りで、間口64尺6寸(19.4メートル)、奥行き38尺3寸(11.6メートル)。当時の標準より一間あまり大きく作られている。実に見事。周囲ぐるりを樹木に囲まれ、間近に枝を伸ぶ桜は家屋の黄土色の土壁と寒々と溶け合っている。

やがて大雪が降り、寒い冬の中にも徐々に陽気の兆しが感じられるようになると、日に日に雪が融け、ぽつんぽつんとツクシやスギナの芽が顔を出すだろう。そうしてしばらくすると土気色だった骨ばった枝に若葉が芽吹き、つぼみが膨らみ、気づけばあるとき満開の桜にまだ冷たいけれど、人を誘うような風が吹き渡るのだ。

そのときはぜひ、満開の桜ごしに、この堂々たる風格の主を眺めてみたい。
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房総の大好きな場所“秘密のキャンプサイト”でラーメンを作る

081212_1.jpgまず、この場所について偉大な先人の言葉を借りたい。三島由紀夫の作品に「岬にての物語」という短編があり、三島はその中で「秘密のキャンプサイト」のことを「鷺浦(さぎうら)」と名を替え綴っている。

以下はその見事な書き出しの一文。つらつらと文字を目で追うごとに、ボクが見たあの夢のような光景がみるみる蘇る。そこには情緒豊かに、抑えられた筆致で次のように語られる。

 房総半島の一角に鷺浦(さぎうら)というあまり名の知られぬ海岸がある。類いない岬の風光、優雅な海岸線、狭いがいいしれぬ余韻をもった湾口の眺め、たたなわる岬のかずかず、殆んど非の打ち処のない風景を持ちながら、その頃までに喧伝されて来た多くの海岸の名声に比べると、不当なほど不遇にみえる鷺浦は、少数の画家や静寧の美を愛する一部の人士の間にのみ知られていて、その誰にとっても、不遇なままの鷺浦が愛の対象であったので、世に紹介する労をとる人はなく、又知人にさえ洩らすまいと力めている人さえあった。

だが鷺浦が世に知られぬ理由は、美を保護せんとするこの種の人々の秘密結社・フリーメイソン的な態度にのみあるのではなく、ここの風景そのものに一種隠逸の美、世の盛りにあって明媚な風光をば酒宴の屏風代りに使おうと探している人々の目には何か容易に肯(がえ)んじ難いものを与える美が、潜在する点にあったのではなかろうか・・・云々。


こう書かれるように、あまりの美しさゆえに愛の対象として人に教えず、守られてきた場所を、こうしてブログで大々的に書くことに、なんとなく後ろめたいものを感じつつ記事を進めることに・・・
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白馬・八方尾根


山仲間との冬の楽しみのひとつが、八方尾根で行われる冬山・スキー合宿。合宿とは言っても訓練はごく一部で、そのほとんどは自由山行として五竜だとか不帰キレット方面を楽しんだり、あるいは八方尾根の唐松岳寄りにある丸山ケルンまで登って、そこからアイスバーンの稜線をスキー滑降して楽しんだり。

ボクの場合、もっぱらスキー。スキーをザックにくくりつけ、唐松岳直下にスキーをデポしてピストン(往復)し、デポしておいたスキーのかたわらでお茶で暖まったらカリカリに凍てついたつるつるの稜線を、眼下に360度のパノラマを眺めながらビューんとスキー。ボクの大好きなスキーコースの一部がこの写真。真正面に見えているのは不帰の嶮(不帰キレット)。かえらず、と読む通り、なかなかの難所でアドレナリンも出るルート。

このカマボコのような凍った稜線を滑降していると、エッジが効かないと谷底に吸い込まれるような気分に襲われるのだけれど、それがまたドキドキ気分を盛り上げる。これこそゲレンデとは違う本番スキーの醍醐味だ。もう気持ちいいったらない。しかしゲレンデと違って山にはペンションやホテルが無い。


仕方ないので、このような宿泊施設に泊まることになる。手前は海外遠征に使用した年季の入ったカマボコ型テント。で、向こうのドームは炊事棟。居住テントで炊事をしてしまうと水蒸気がテント内部で全て凍ってしまい、それが風のたびにカラカラと落ちて、まったく居心地の悪い場所になってしまう。ただでさえ人の息が凍って、テント内が真っ白なのに、これ以上の水分は・・・で、食事当番が隔離されたドームでせっせと悪だくみを楽しみながらヘンテコなメニューを生産するのだ。これの度が過ぎると大喧嘩になる。

写真は以前の合宿時に撮影。テント横に立つ黒いスキーはボクの愛用品。その向こうの斜面で後輩らがピッケルでの滑落停止訓練をしている。ボクの黒スキーの横で寝転んでいるのが、後に白籏史朗さんの厳冬期の機材持ちをすることになるOBのH先輩。奇遇にも広告業界に就職したボクは、白幡さんと何度かお仕事をともにさせていただくことができ、H先輩の話で盛り上がることができた。

テントの周囲には3000メートルの山岳特有の激しい風雪に備え雪壁を作っている。ボクは軽量化のために夏用の薄いシュラフなので、アルパインジャケットなどを全て着込み、シュラフにはシュラフカバーをセット。そして足元はカラのザックにすっぽり突っ込んで寝る。顔は寝息で凍ってしまうので、同じくシュラフ内にすっぽり。こうすれば夏用シュラフでも十分に寝られる。

今年もそろそろ八方は白く染まりつつある。今年はショートスキーで八方尾根あるいは北八ヶ岳の雪上散歩でものんびりと楽しもうかな・・・

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『プチかまど』試作品の試運転でモツ煮を作る

いつもコメントをいただいているpickupcamperさんが小型軽量の焚き火ストーブ、その名も“プチかまど”を開発し、その試運転の栄誉に預ることができた。

081208_9.jpgネイチャーストーブを愛用している方は実感されていると思うけれど、小型焚き火ストーブの実力はシングルストーブをはるかにしのぐものがある。
まず故障リスクが限りなくゼロに近い。軽くて、大抵は手のひらサイズに収納できてしまう携帯性の良さ。燃料として自然の枯れ枝、落ち葉などを使用するため、燃料を携行する必要もない。これは長期的にバックパッキングする際に大きなメリットとなる。もちろん雨天など悪天候時のために、サブストーブとしてメタやエスビットを忍ばせればいい。

こうした小型焚き火ストーブ分野には、非常に魅力的な製品がある。たとえば・・・
◆ネイチャーストーブ(ユニフレーム)
◆コンパクトストーブVHS(ホリデーロード)
◆トレックストーブ(カナダ)
◆シェラストーブ(アメリカ) 
◆ブッシュバディウルトラストーブ(カナダ)
など

シェラストーブ系はファンを使用して火力を強めているので、ネイチャーとは云い難い面もある。ジェネレータを含むこのような複雑な機構を持たせるとそれがそのまま故障リスクに跳ね返ってしまうし、音も非常に気になる。

自然力オンリーの軽量小型ストーブで、さらに焚き木を簡単に投入できるものがあればいいのになぁ、と思っていたところ幸運にも目にしたのが、pickupcamperさんによって自作開発された小型軽量・焚き火ストーブの『プチかまど』だった・・・
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「ミリめし(ミリメシ)」を冬のアウトドア食料に利用しよう

081205_1.jpgここ数年、人気がうなぎのぼりなアイテムといえば・・・ミリめし。つまりミリタリー飯(めし)の略でミリめし(またはミリメシ)。

そのうちネタ切れのときにでも記事を書こうかなと思いつつ、ずっと書かずじまい。しかし今は冬。で、冬山の食料といえば定番はペミカン。自分の嗜好と栄養価を考えて調理した食材をラードなどで固め、ラップなどで個別に包装した自分で作る、自分のための食料。これを焼いたり煮たり・・・冬山では定番の食事だ。

そろそろ新しい味を開発しようかなと思っているとセガが提供しているクレーンゲームの新しい景品が目に付いた。この冬からの新しい景品は“救難食料”。今までは・・・うろ覚えだが、迷彩デザインのパッケージが嗜好をくすぐる、たしか野戦食とか戦闘食とかだったはず。

パッケージは救難食料(通称ガンバレめし)に変わってしまったけれど、中身は今まで同様に海上・航空自衛隊のミリめし。きっとゲームの裾野を広げようとしているのかもしれない。それはさておき、このミリメシをボクは20年以上前から愛用している。つまり隠れファンだった。当時はサープラスものを扱う、その手のショップで購入していた。用途はズバリ個人山行の冬山用。ペミカンもいいけれど、多少かさばったとしても、ミリめしを厳冬期の雪上で食べるのは実に素敵な気分だった。

081205_2.jpg確か昔の写真にミリめしを食べているシーンがあったはず、とアルバムを探していたら・・・

ありました!厳冬期の八ヶ岳を友人と個人山行しているときの食事風景。食料を撮影したわけではないのでわかりにくいですが、正面のボクの横にカラのビニール袋(クリックで拡大)などが見えます。
これがアメリカ軍のミリメシです。食事を終えて、汚れたシェラカップに、マナスルで湯をわかし紅茶でも入れようとしています。ダブルヤッケという身なりも・・・時代を感じさせますね(^^;;
※バックの茶色い板は遭難多発現場だから注意せよ、との看板。
マナスルの記事はコチラ

一応メニューを探したらあったので紹介しておくことに。

081205_4.jpg1.ビーフステーキ
2.ウエスタン・スタイル・ビーンズ
3.ビーフ・スナック(ジャーキー)
4.スプーン
5.FRH(加水式加熱剤)
6.クラッカー
7.チェリー・ベバレッジ
8.トッツィー・ロール
9.ピーナッツ・バター
10.アクセサリー・ポケット

当時アメリカ軍のミリめしを冬山用に常備していたけれど、美味しさの点ではイタリア軍やフランス軍のものが一枚も二枚も上手。しかしカロリーという点ではアメリカ軍の1800キロカロリー近い高カロリーは魅力的♪それに入手のしやすさという点でも重宝した。今であれば・・・NATO軍のミリめしなんか、冬のアウトドアで食べてみたいなぁ。

081205_4_20081205111626.jpg書店に行くと、このミリめし本が数多く並んでいる。近年UFOキャッチャーの景品になったほどだから、たぶん一部のマニアのものではなくすでにブームになっているのだろう。

そういえば日本のミリめしは自衛隊の駐屯地のお土産売り場でたくさん売っていたはず。ボクが利用したのは、陸上自衛隊朝霞駐屯地にある売店。敷地内に「広報センター」があって、その中の売店にはずら~~~っとレトルト食品のようにミリメシが並んでいる。その光景だけでもワクワクする。それに、アメリカ軍のように高カロリーではないから安心して楽しめる。

(参考リンク)
ミリめしおかわり

(その他リンク)
http://ecustom.listing.rakuten.co.jp/rms/sd/ecustom/mall?cl=000000&nm=CLUBNATURE%A5%DF%A5%EA%A5%E1%A5%B7&bk=clubnature2.blog87.fc2.com%2F&hd=&aid=08e44ee0.98b3f704&sg=100227&g=100227&v=3&p=1&s=2&sub=1&min=&max=&f=A&sw=%A5%DF%A5%EA%A5%E1%A5%B7&nw=" target="_blank">◆ミリめし一覧はココ◆

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岩登りの際の、決定的な大間違い

081204_1.jpg冬だというのに小春日和のとある一日。学生時代の山仲間と連れ立って、とある場所の20メートルほどの小さな岩場へと遊びにでかけた。

ヨセミテ風の、がばがばに太いグラミチのクライミングパンツをクライミングテープをベルト代わりにウエストを絞り、上半身は素肌にプルオーバーのフリース。チョークバッグやヘルメットもなしという、いたって気軽なスタイルで半日ほど楽しんだ。

トランギアでコーヒーを飲みながら、いろいろなルートをのんびりと楽しむシアワセ。で、写真はランチを終えて最初の光景。フリクションを楽しみながら直上し、途中のバンドを左側へ。そこから大きなホールドでアウロバチックに岩を乗り越え右側へ・・・という場面。

このズーム写真を見て、なにか大きな危険あるいは間違いを感じませんか??まあ、チョークバッグはさておき、ヘルメットなしというのは確かに危険なことですが、それ以上の重大なこと。

    ・・・ ・・・・・ ・・・・・・・

そ、それは、、、この写真そのもの!

今まで、二人で行ったクライミングでは写真などなかった。なぜなら、ボクが登っているとき、パートナーは両手でザイルを操作して確保していなければならないからだ。もちろんボクだってパートナーを撮影するなんてことしない。危険だからだ。

つまり・・・友人はザイルを操作する手を休めこれを撮影していたのだ。なんて~~ヤツだ!!めちゃくちゃトンデモナイ奴だったのだ。この写真の存在を知ったのは、先日、彼からメール添付で送られてきたため。トップロープならではの安心感で思い切って横に移動しようとしている自分・・・・まさか、とっても危険な状態におかれていたなんて・・・・

じつにケシカラン奴だ、とこれを見るたびに思ってしまう。彼に、画像の返事はまだ返していない。

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キャンプ場を作りたいから、どんぐりプロジェクト

081127_1.jpg先月、近所の雑木林前の舗装道路でどんぐりを拾い、腐葉土に撒いてみた。

近頃CO2削減だとか、カーボンオフセットだとか、いろいろと環境のことが言われているけれど、そんなご大層な理由ではない。たしかに気持ちのいい環境を後世に残すことは必用だろうけれど、僕の場合、広葉樹の森が大好きで、そんな森がもっと増えたらいいのに・・・というのが出発点になっている。

豊かな自然林は、明治以降の近代化施策の波でことごとく杉の人工林へと変貌してしまい、価格面で輸入材に太刀打ちできなくなった今では多くの人工林は荒れ放題。そんな人工林をふたたび自然林にできたら気持ちいいのにな、と思う。そこで手始めに舗装道路に落ちて朽ち果てる運命のどんぐりを拾ってきた。これを二晩ほど水に浸し発芽(根)しやすい状態に導いてから腐葉土などに撒き、上に軽く土かけをする。たったこれだけ。

081127_3.jpgプランター・鉢や庭に撒いた個数は100個少々。はたしてこの中から何本の苗木が育つのだろうか。順調に育てば来年の秋には50~60センチの苗木になっているはず。その苗木を地域の役場に相談し、どこか最適な場所に植樹できればいいな、と思っている。こうした経験を積みながら、将来的にはNPOと連携しつつ地域とタイアップして広々した自然林候補地に植えるのが夢だ。毎週のようにそこに通い、樹木の生長を願いながらキャンプする。

こうしたプロジェクトが日本全国で同時展開し、プロジェクト参加者は各地の候補地で自由にキャンプできる・・・つまり、植樹とキャンプが連携し、食材として地産を購入したりみやげ物を購入したり、それを各自が口コミ(ブログ含む)することで認知を拡大し、地域活性にも貢献できる。基本的には、キャンプとアウトドアが大好きな自分たちのために、第二のふるさと作りを自分たちの手でしちゃおう・・・という、なんとも自分勝手なプロジェクトを夢見る毎日。

まずは、この100本からやりますよ(^^♪
※目的がカーボンオフセットであれば、が最もカーボン吸収率に優れているけれど、あくまでも広葉樹の気持ちのいい自然林復活とプライベートキャンプ場なので(笑) んなわけで、Green PLUSさん、ノウハウ&タイアップ&アライアンス&組織&運営サポート(全部じゃん^^;; )よろしくです!

◆発端となった関連記事
どんぐりとアウトドア

◆参考記事リンク
オール電化再考
オール電化は環境に優しい?
オール電化でCO2増加!企業のウソ
オール電化は危険がいっぱい

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養老渓谷の紅葉

081130_1.jpg


房総半島には起伏が少ない、とボクは思っていた。しかし、標高が高くないというだけで、房総半島内陸部はほとんどが山だ。小高い山のてっぺんから周囲を見渡せば、見事なほどの山並みが十重二十重と連なって見える。その彼方に見えるのは、やはり富士の山。

この山並みのほぼ中心にあるのが徳川譜代の本多氏が支配した大多喜の城下町で、そこからほどちかい場所にあるのが養老渓谷という渓谷といで湯にめぐまれた場所。昨日はちょっとドライブがてら、紅葉を眺めに行ってみた。外房の我が家から車で1時間。ちょうどいい距離だ。※南総里見八犬伝のエリアとしても有名。

081130_2.jpg 081130_3.jpg


渓谷付近は日曜とあってかなりの渋滞。まだ10時前だというのに、何台もの観光バスや乗用車が連なっている。動かないので途中の駐車場に車を置いて、ハイキング。トートバッグに毎度おなじみのトランギアストーブ&ケトル、水筒、シェラカップを入れ渋滞する林道をてくてく。20分ものんびり歩くと渓谷へ下る小道があった。

081130_4.jpg渓谷へ下ると、見事な紅葉。まだ8分といったところだけれど、十分に見ごろを迎えていた。いちばんの見ごろはたぶん12月上旬頃からで中旬になると散り始めるのだろう。ボクは人が記念撮影する栗又の滝ヨコの岩にブランケットを広げてトランギアでカプチーノを入れ、紅葉と大きくて見事なナメ滝の競演を眺めながらゆっくりと飲む。紅葉の渓谷美の中に設えた、小さなカフェ。空き缶ストーブを含めアルコールストーブは小さいし故障しない。そのうえガスのストーブと違い静かだから、雰囲気を壊さずに楽しむことができるのも素晴らしい。

081130_5.jpg養老渓谷の紅葉は渓谷の中から楽しむばかりでなく、ハイキングコースとなっている山の山頂から眼下に見渡すのも、きっと素晴らしいかもしれない。その山のコースも来週には紅葉のトンネルになるはずだ。

養老渓谷の紅葉は、ようやくピークを迎えようとしている。


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