
先日の台風、強烈でしたね。そんな台風の日に、荒天を狙ってわざわざキャンプに出かける・・・そんな方がおられる。三角テント・・・つまり参天と呼ばれる
HEX使いの横道さんだ。※記事は下にリンク
登山で天気図をとるのを怠ったばかりに寒冷前線通過と遭遇し北岳の肩の小屋のテント場で散々なめにあったことがあった。瞬間風速40メートルを超える暴風雨は僕のテントを破壊した。以後、何度となく暴風雨に遭遇するが、それは決して好き好んで出かけたわけではない。
しかし、僕も横道さん同様にHEX3というテントに出会い、その単純ながら強靭さを発揮する構造にワクワクし、
台風の日にでかけたことがあった。台風の日に好き好んでキャンプにでかける・・・この一見無謀にも見える行為の根底には、少年時代に萌芽した
冒険への憧れがあったのかもしれない。
僕は、自分のことを大人として自認し、他人の馬鹿げた行為に対して「大人気ないなぁ」なんてことを抜けぬけと言ってしまう世代だ。はたしてこの“
大人気ない”とはどういうことなのか。たぶんそれは、大人から見て“馬鹿げた行為”のことを指すのかもしれない。馬鹿げた行為とは、おそらく“人様のためにならない行為”だったり“利益にならない行為”だったり、つまりそこに意味を見出せないたぐいの行為なのだろう。
しかし子供は違う。子供は純粋に“
わくわくしたい”という気持ちが原動力になるのではないだろうか。わくわくしたい・・・これは宮沢賢治の「
風の又三郎」で明確に物語のコンセプトとして設定されているテーマだ。子供のワクワクというのは、危険度と比例して大きくなり、それは時として命という代償を求めることもある。「風の又三郎」という存在は、子供たちの心に潜むそんな“ワクワク感”の象徴として設定されている。一種の通過儀礼だ。
子供たちが大人になると、そのとき“風の又三郎”も去ってゆく。しかし、又三郎は去ってどこかに行ってしまったのではなく、僕ら大人たちの心の奥深くに潜伏し、長い長い眠りについてしまっただけなんだ。なかには完全に眠っていない又三郎を持っている御仁もおられる。たとえば植村直己さん、たとえば三浦雄一郎さんなどは、又三郎が眠らずに、ずーっといっしょに走り回っていたのだろう。そういう大人は稀だ。
又三郎をずーっと眠らせたままにせず、たまには揺り起こし、ちいさな冒険に心躍らせるのも悪くない。参天(三角テント・HEXなど)は、もしかしたら
又三郎の好物のひとつかもしれない。今後、もしも可能であるなら、風の又三郎を主賓として”
台風オフ”とやらをぜひともやってみたい(^^;;
◆
横道さんの記事リンク◆
ONよりOFF:参天デビューキャンプ
http://yokomichi.naturum.ne.jp/e612087.html
★追記:9月3日:台風キャンプの注意点
さて、台風キャンプの注意点を追記しようとしましたが、注意点らしい注意がみあたりません(^^;; さて、どうしよう・・・基本は登山の心得そのままです。あえて列記すれば・・・
【
装備】
・テントは山岳用など強い風雨を想定したもの
※あえて安価なキャンプ用を使う、という場合は予備の張り綱、ガムテープ、そしてテント本体は高さ1200ミリ未満のフルフライタイプがお勧め。
・低体温を防止するための雨具、着替え、インナー
・浸水を想定しゴアのシュラフカバー
・いつでも瞬時で使用できる着火が容易なストーブ
・エスケープを想定したコンパクトなパッキング など
【
環境】
・山岳ではなく、基本は管理されたキャンプ場を利用。また管理棟・管理人常駐で万が一の際にエスケープ可能なキャンプ場。
・地すべりリスクの大きい杉が植林された人工林の斜面付近、増水リスクの大きい河川川原、さらに倒壊、落雷(側撃)リスクに供え、木の間近は避ける。
・地面に堆積した松葉などが筋状に模様を描いてる場所は水流のルートになるので避ける。
列記すれば、まあこんなところでしょうか。
しかし管理された管理人常駐のキャンプ場であれば、まずは台風を体験しちゃうのが手っ取り早いでしょうね(^^;; 何れにしても、他力を当初から頼りにせず、最悪の場合を考えてエスケープの策を講じておくことは必須。
基本はセルフレスキューです。
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