
もしもキャンプの風景にクラシックをBGMとすれば、どんな曲が合うのかな、と思いついたのがこの記事。クラシックは、風景や情念、思いや物語を音に紡いだもの。リヒャルトシュトラウスの“
アルプス交響曲”はアルプス登山を交響曲で表現したものだし、ドビュッシーの
ベルガマスク組曲はイタリアのベルガマ地方への旅を音にスケッチしたもの・・・まさに音のスケッチブックです。
そんなに難しいものではなく、むしろ音を聞いてそこからどんな光景が脳裏に浮かぶのかを楽しむ、気持ちよいものです。
※画像は休暇村・那須キャンプ場から撮影した那須岳上空の雲。まさにマーラー5番の第一楽章のイメージ。さて、ではキャンプに相応しい曲を思いつくままランダムに・・・
北欧のショパンとも云われる
グリーグの美しい作品が“
春に寄す”。これは彼が生涯の折々に書いたピアノ小品を6~8曲を1集としてまとめたもので、全部で10集あります。曲数でいえば66曲。叙情小品集と呼ばれています。このうちの第3集の第6曲目がこれ。長い冬の後に訪れる、北欧の遅い春の訪れを曲にした作品で、透明な北欧の青い空気の上から太陽のキラキラ粒が降り注ぐ・・・春に目覚める白樺など北欧の自然の息吹が満ちているようで、大好きです。
三景園で聞くなら・・・まずは
メンデルスゾーンの“
浮雲”。絵も得意とした彼は、移ろいゆく景観や心象風景をピアノ小曲というかたちで音にスケッチしました。それが“
無言歌集”。このなかの第4集作品53番の第2曲”浮雲”はまさに
三景園の穏やかな風景そのもので、清流が流下する明るい高原の空高く、雲が甲斐駒の風に乗って流れ行くさままで見えてきそうです。
次にあいそうなのが、
バッハの“
プレリュード”。
平均律クラヴィーア曲集・第1巻の巻頭に飾られるハ長調の非常に美しい曲です。ちなみに、この曲をそのまま伴奏に用いて作られたのが、グノーによる“
アヴェマリア”です。あまりにも美しい音の調和は上高地の景観にも当てはまりそうです。
ほかには・・・すこーんとした気持ちの良いキャンプ場にうってつけの曲をイメージすると・・・たとえばメヌエットのような曲調が合うのかな、ということで
ハイドンの“
メヌエット・ハ長調”とか
モーツアルトの“
メヌエットニ長調”なんか、いいですね!これを
白州・大武川の水辺で聞いたら、まさに夢の国そのものです。
次に、レイクカヤック・キャンプのときは
リストです。「
巡礼年報」という4巻のピアノ曲集があって、気分はその
第1巻。スイスと題された1巻の中の第4曲めです。“
泉のほとりで”(まさにそのまま ^^;)、と命名されるこの曲はまさに
美しい泉を音で紡いだ詩のような音楽です。
では道志の森は?・・・といえば、これは広葉樹と針葉樹が入り混じるちょっと暗くて幻想的な雰囲気なので、たとえば
アイレンベルクの“
森の水車”とか、
シベリウスの“
樅の木”なんか雰囲気です。樅の木は、ピアノ小品集「木の組曲」の第5曲目。
道志の森のみずみずしいばかりの美しさに通じるものがあります。いくぶん、道志の森よりも明るめですが・・・暗めより、気持ちいいです。
これ以外に心地よい草原や白樺の下で聞くと、ほんとうに心にジンと熱いものがこみ上げてきちゃうのが、
ショパンの”
別れの曲”。あまりにも
美しすぎるその旋律と、あまりにも美しい自然がぴったりと合わさると感動ものです。
ショパン自身が「
これほどまでに美しい曲は今まで書いたことがない」と言っているほどの曲で・・・切なく甘い主題に始まり、それがやがて高揚し、そこにさざ波のように主題の旋律が戻ってくる・・・ああ、美しすぎっ!
もちろん、ショパンの“
幻想即興曲”も気持ちいいです。左指が6連符を刻む間に右手が16分音符を8つ刻む小気味いい幻想的な曲。速度が次第にゆったりとした牧歌的なものに変化し・・・これも気持ちいいんですよね。
あとfumiさんの言っていた
マーラーですが、彼は夏休みを利用して作曲していた趣味の作曲家。ですので、彼の交響曲には
キラキラした夏の気持ちいい景色が香ります。まぶしいまでの明るさ、美しさに、聞いているとなぜか
理由なく感動がこみ上げてしまい、仕事などで疲れているときなど、その美しさに涙がでるほどですよ(^^; 派手さが好きであれば、ベルリンフィル&カラヤンの演奏が最適です。
ということで、じゃじゃーん。独断で選んだベストテンの発表です!
■
キャンプで聞くクラシックBEST101:「浮雲」(メンデルスゾーン)
2:メヌエット・ハ長調(ハイドン)
3:メヌエットニ長調(モーツアルト)
4:「別れの曲」(ショパン)
5:交響曲5番・第四楽章「アダージョ」(マーラー)
6:平均率クラヴィーア曲集・第1巻「プレリュード」(バッハ)
7:叙情小品集・第3集の第6曲目「春に寄す」(グリーグ)
8:交響曲第四番・第一楽章(マーラー)
9:「樅(もみ)の木」(シベリウス)
10:ピアノ組曲「巡礼年報」第1巻「スイス」4曲目「泉のほとりで」(リスト)
これは聞いて感動ものの選曲です♪
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