=逸品Club=
すでに25年以上の長き付き合いのアイテムがいくつかある。エスビットストーブ、メタクッカー、トランギア、シモンのピッケル、カジタのアイゼン、カリマーのアタックザック、コングボナッティ・・・そしてこれが一番のお気に入り、
グランテトラの水筒だ。
消耗の激しいアウトドア用品において10年、20年と長く付き合って、しかも何の不満もなく、ますます愛着と信頼が太くなるツールはそうそうあるものではない。そして、付き合うに連れて太い信頼の絆で結ばれる道具にはある共通点がある。
それは、いたってシンプルである、ということ。
特別で複雑な機構を持たないということはアウトドアにおいて、かなり重要なポイントだ。登山やバックパッキングの最中に壊れでもしたら、それこそお手上げ状態となる。シンプルということは、それだけ故障リスクが少ないということ。壊れず、目的を確実に達成する道具。それがグランテトラという水筒だ。
数少ない水場で確保した水を一滴たりとも零さず洩らず、そのうえボトルの内面を腐食しにくいエナメル・グラスティックで仕上げてある。これによって当時主流だったポリタンクのように水に匂いを附着させることなく、美味しいままに飲むことができる。だからワインなども美味しいまま山に持っていくことができるのだ。

登山用品ラックをあさってみたところ、5~6本はあったグランテトラがなぜか3本しか見当たらなかった。山で使用するため、全て目のさめるような赤色。ワイン用にと15年ほど前に手に入れた小さなマルキル水筒もどこかに隠れて出てこない。これはきっと、ここ10年ほどプラティパスに浮気していたことに彼らがへそを曲げてしまったのかもしれない。
ネジ蓋ではなく強靭な口金タイプ(プレッシャーキャップ)のグランテトラの素晴らしい点は、がっちりと密閉されるので、ネジ式に往々にあるように、水が漏れるという心配がない。ネジ式の水筒で何度か水が漏れ出した経験があるけれど、この口金式のグランテトラで水が漏れ出したことはこれまで一度としてなかったし、不具合もなし。さらに誰もこのことを指摘したいないけれど、ウールの手袋をしていても片手指でポンと開けられ、手の平でパチンと閉じられることこそ最大のメリットかもしれない。冬季、昔のような脱脂していない厚手の手袋であってもラクラク扱える快適さったらない。
穴さえ開かなければベコベコになったとしても、ずっと使い続けられるのも素晴らしい。唯一交換が必要になるのは口金のゴムパッキン部分。これはトランギアも同様。これだけでおそらく生涯にわたって愛用し続けることができる、まさに相棒と呼ぶにふさわしい水筒であることに間違いない。

にほんブログ村ヤフオクでこれの中古が1万以上の値が付いているのを見て驚いてしまった。そんな金額で手に入れる価値があるのかは疑問だけれど、同じものはラーケンのクアドラーダ 1.0リットル。AMAZONでも一部在庫はあったけれど、楽天のほうが送料を含めても安い。どちらも品薄状態で、もうじき入手困難になるかもしれない。
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ラーケン クアドラーダ1.0 PL-91A
テーマ:アウトドア - ジャンル:趣味・実用